邪道ハウスと王道マンガ

くろべーじゃないよ

 某リゾート地で別荘めぐりの日。
 引っ越し先を探すってのが今年後半のテーマなのだが、別荘地ってのも面白いかなと思って来てみたのだ。で、これが実際とっても面白い。
 なんというか、一般住宅ってのはそれなりのパターンというかお決まりの枠の中におさまってるのだが、別荘物件ってのはどこか逸脱している。特に僕が探してるのなんか最下級の価格帯のものだから、はっきりいって住居として邪道なのだ。家の玄関に入るのに崖をのぼり藪をかきわけアスレチックなみの運動をするところなんざザラである。
 傾斜地に建ってる時点で家としては邪道なわけで、そういう邪道さのバリエーションを見て回る迫力ってのは確かにある。結構いい運動になったし、別荘地の人なつっこい黒ラブにも出会えたし。


 そんなリゾートドライブの最中に立ち寄った本屋で、『capeta』と『グイン・サーガ』の新刊を発見。家に帰る電車の中で読もうと思って早速購入。
 邪道系建築物をいろいろ見た後だけに、それぞれレース系少年マンガと剣と魔法系大河ファンタジーの王道系だよなーと思う。特に『capeta』は絶対ド真ん中王道パターンを意図してやってるってのがすごい。少年漫画の黄金パターンってのをしっかり踏襲しつつ、それでも誰にも負けないって自信があるからできるんだろうな。すごいぜ曽田正人


 なんてな話を宿主の友人としたのだが、彼は僕が買ってきた、『capeta』11巻を僕が読む前に読んでしまった。別にいいよって言って僕から渡したんだけど、彼がカバーのビニールを破いてる姿にふと理不尽なものを感じた。
 この感覚って何だろーなーと考えてみるに、「そーだジャイアンの行動パターンだ!」と気づく。のび太スネ夫の買ったマンガを先に読むのはジャイアンなのだ。そして僕は、できることならジャイアンのように生きたくて、のび太スネ夫は嫌なのだなきっと。
 なんてなことを、温泉上がりのぼーっとした頭で考える。そんな思考が引越し先探しにも何らかの答えを導いてくれそうな気がするのだが、今夜はそこまで頭が回らないのでおやすみなさい。