学力の低下とロックの学校

 寝起きにテレビをつけっぱなしにしていたら、ニュースだかワイドショーだかで気になる情報が聞こえてきた。
 日本の小中学生の学力が低下してるんだそうである。家庭学習というか、宿題をする時間も減少してるんだそうな。
 いいじゃねえか、そんなもん!
 僕は小中高予大と、なんだかんだで18年も学校に通ったけれど、それほど大したことは学ばなかったぞ。「ゆとり教育見直し」なんていってるが、子供の頭ん中から学校経由の知識が減ってたってんなら代わり他のことが詰まってると思えばいいじゃないかと思う。
 家で宿題をする時間なんてのもそうで、真面目に宿題に励む時間が長くなったところで与えられたルーティンワークしかこなせないサラリーマンが量産されるだけだろう。大事なのは、「学校知識の代わりに何を学んでるか」とか「宿題せずに何してるか」ってことだ。
 今の日本で問題なのは、その代替物が「子供相手に商売してる大人が用意した知識やサービス」ばかりだったりするってことなんじゃなかろうか。──なーんて、朝っぱらからガラにもなく社会派っぽく考えてしまった。


 午後に外出してこのDVDを購入したのも、そんな思考の影響かもしれん。
スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
 この『スクールオブロック』、今年の春に雑誌であらすじを読み、見たいなーと思ってた映画である。近くに映画館がないせいで行きそびれてたが、もうDVD化されてたとは。日が暮れるのを楽しみに待ち、いそいそと寝室シアターで鑑賞。
 で、これが実に楽しい映画であった。ロックの知識が薄い僕でも物凄く楽しめたくらいだから、詳しい人やバンドやってる人にはたまらんものがあるだろう。黒板いっぱいに図示された「ロックの歴史」の授業なんて、日本語バージョンで受けてみたいくらいだ。
 意地悪な見方をすればストーリーの大きな枠組みがハリウッド型のいかにもな構造になっちゃってるのがロックじゃないともいえるけど、それを補って余りあるジャック・ブラックの名演とロックナンバーの数々。いいキャラ揃いの子役たちも素晴らしい。特にイエスを弾く中国系のモテないボーイはうちの近所の子にそっくりで妙に親近感を覚えた。
 この映画、僕の周りでは売れないロッカーが小学生にロックを教える映画だよって話をすると馬鹿にした顔をする人が多かった。しかし「史上初めてツェッペリンが『移民の歌』の使用許可を出した映画」って言ったら、それだけで見たくなる人も多いんじゃなかろうか。DVDの特典映像には「使用許可を頼む映像」なんてのも入ってて実に楽しい。
 そんなわけで、おすすめです。僕のフェイバリット映画の『青春デンデケデケデケ』や『いまを生きる』と比較して見るってえと、国や時代の違いなんかも考察できて勉強になるよ。