パディスブルワリーとマルディグラ

takeuchimakoto2005-03-05

 午前中からクレミントンという駅へ。駅に隣接したマーケットを訪れる。
 僕はもともと知らない国の市場を訪れるのが好きだけど、今日の目的は他にある。こないだあった日豪プレス副編集長から市場に隣接したホテルにブルワリーパブが併設されていると聞き、そこのビールを飲みにきたのだ。活気あふれる青果市場や限りなく粗大ゴミ置き場に近い露店などを冷やかしながら、市場を挟んで駅の反対側にあるパディスブルワリーへ。
 で、この醸造所が大当たり。なにしろスクーナー(日本の酒場でいうとこの生中みたいなもんか)一杯が$3.2とめちゃくちゃ安いし(普通は$6〜8くらい)、数種類あるビールのどれもがうまいのだ。ついつい杯を重ねて酔っ払う。
 ピルスナーとかアンバーエールとかいったオーソドックスなメニューも一級品だし、サマーエールってのは柑橘系とおぼしきフレーバーがほのかに香って実に飲み口がいいし、ポーターは濃厚なボディーにチョコレート風味が効いている。シーズナルってのは季節ごとに変わる味なのかもしれんが、ポーターより少しフルーティーなダークエールにコーヒーフレーバーって感じの奥深い味。
 この店、ロードネルソンみたいな超有名店とちがって日本の観光ガイドなんかにゃ全く出てない場所だが、シドニーに来たなら寄っとかないと損だと思う。24時間営業ってことで昼間は店員もあんまりやる気なさそうだが、静かなパブで飲むビールもいいもんである。麦芽100%のものばかりじゃないのでので日本の発泡酒ブルワリーのいいお手本になる造所ではなかろうか。


 で、日中はいい気持ちで酔っ払って後、夕方からはシティへ。今日はマルディグラの日なのだ。
 ゲイ&レズビアンの祭典の最終日で、シドニー中心部の道路を封鎖して大規模なパレードが行われる。早めに行って場所取りしとかないと見られないよと脅かされたものの、わりにのんびり行った僕はちょうどミュージアム駅の封鎖のタイミングに出くわし、見物人の柵に面した最前列に場所を取る事ができた。
 しかもその場所、どうやらパレードの始まるスタート地点のど真ん前らしい。ぼけっとやって来ただけでこんないい場所をとれていいのかなと不安に思い、後ろを振り向くってえと既に背後には人垣ができてて身動きとれない。そのうちにパレードに出る人々もやってきて、周囲はやけに活気をおびてきた。
 パレードのスタート時間になると、最初に走り出したのはレズビアン団体のお姉さん(といっていいのかな)たちで、何台ものバイクを連ねてる。エンジンを吹かすだけで群集が盛り上がり、走り出したら大喝采。誇らかな表情でハンドルを握っている彼女たちの姿が実に印象的な夜であった。