バクテーとフォー

takeuchimakoto2005-03-07

 昼飯に、中華街になってるヘイストリートのマーケットシティーへ。
 大きなショッピングセンターの、「一番上の一番奥」にバクテーを出す店があると聞きつけ、そりゃ見逃せんとやってきたのである。バクテーというのはマレーシアの華僑料理で、僕は祖師谷大蔵の馬来西亜という店で食べて病みつきになっている。
 オーストラリアは本場ってわけじゃないだろうけど、本物の華僑が作ったバクテーってのを食べてみたかったのだ。全般にこっちの中華料理は日本の中華料理と味が違うので、バクテーはどうじゃろなと思ったのである。
 で、口コミ情報を頼りに探して見ると、「肉骨茶」ってのが見つかった(漢字で書くとそうなるのだ)。7ドルだったか7ドル50だったか忘れたが、早速頼んで食べてみる。
 肉骨茶の名の通り、バクテースープで骨付き肉が煮込んである。皮付きなのがうれしいとこだし、ナンコツのとこまでほろっと崩れるように柔らかい。なんだか沖縄のラフテーとソーキのいいところを併せもったような肉料理である。
 味付けは少々意外なことに祖師谷大蔵のバクテーよりも薄味だった。濃い目のタレや唐辛子の小皿もついてくるので好みで調整できるが、スパイスは控えめで塩味強めって感じである。味の基本ラインは一緒なのに料理としてはまったく別のものに思えるあたりが面白い。
 まあこういうのは作り手の好みやアレンジ次第だから一概にはいえないだろうけど、これは僕が中華料理全般で受けた印象とは逆である。オーストラリアで食べる中華って、全般にとんがった味がするように思うのだ。日本は全体に小ぢんまりとまとまってるが、こっちはスパイスとか香草とかの味が強いようだ。
 こういうところをして「日本の中華は味の素料理だ」なんて言われちゃうんだろう。どっちを好むかは人によって違うだろうし、僕は旨み調味料を使った料理だってうまけりゃいいと思うけどね。


 シティーでいくつか用事を済ませた後、午後はカブラマタという街へ。
 ステイ先のしおりさんから、ベトナム人街も面白いよとすすめられてきてみたのだ。しかし街の雰囲気は、ベトナムオンリーってよりはずいぶんと華僑っぽさも混じってる。看板には漢字も多いし(ベトナムってもともと漢字圏だったっけ)、香港系のタレントグッズやCDやDVDの店も多い。本屋をぼけっと眺めてたら、表紙に「井上和香」なんて名前がのってる雑誌もあってびっくりした。
 ここではベトナムお好み焼きがうまい店があるという口コミ情報をもとに街をうろついてみたのだが、「入り口に焼いたお好み焼きがディスプレイしてある」という店は発見できず。結局現地で人気のベトナム麺(フォー)の店入る。玉子つなぎの麺が評判の店とのことだったが、僕としては普通の半透明な細麺の方が好きだった。
 まあスープがうまいからいいんだけどもと思いつつ、これはラーメン全盛の日本に慣れた僕が、今さら玉子麺など珍しくなかったからかもしれないなあ。