マガークと村上春樹

takeuchimakoto2005-03-10

 朝から電車でボンダイへ向かい、記憶を頼りにウェイバリーって町へ歩いていく。
 今暮らしてる家は来週で出る予定なので、来週から入る予定のフラットに来てみたのである。ホームステイ→ハウスシェア→フラットシェアと、いろんな形での滞在を味わってみるのだ。ホテルやバックパッカーやファームステイもちょこちょこと経験してるので、それぞれの泊まり心地を比べてみるのも悪くない。
 で、ウェイバリーでの用事を済ませた後、午後はこの地の図書館に寄ってみたのだが、そこで検索コンピューターをいじってて面白いものを発見。マガーク探偵団シリーズの、未邦訳の作品である。
 子供の頃に大好きだったこのシリーズ、日本では18巻まで出たのだがマガーク少年探偵団!(1)こちらマガーク探偵団、実は原書では二十数巻あるのだ。近刊だけじゃなくて古いものの中にも出てないのがあって、どうして訳されないのかなーと思ってたが、図書館員さんに頼んで書庫から出してきてもらった本を見て納得。−−和訳したら「こわがりの小人事件」とでもなるだろうか。ファンタジーの小人じゃなくて、サーカスに出る体の小さい人が登場する話だったのだ。
 いろいろと自主規制のうるさい日本の出版界の、しかも児童書ってジャンルではこれは出せなかったんだろう。欧米に比べて日本じゃあサーカス文化もそんなに浸透してない気がするし。
 んがしかし、図書館の後でロードネルソンに移動してビール飲みつつ最初の2章を読んでみたところ、やっぱりこの小説は面白い。今でも学ぶところの大きい作品で、続きを読むのが楽しみだ。


 帰宅すると机の上に日本から届いたエアメールの封筒が置いてあった。差出人は関口尚−−小説すばる新人賞出身の作家さんである。あなたの石
 ちょっと前に彼とのメールで「村上春樹の新作が『新潮』に載ってる」ってな話になり、そりゃ読みたいから送ってくれと頼んだら本当に送ってくれたのである。一緒にリクエストした北方水滸伝の今月分も同封してあるし、さらにはた万次郎画伯の「ウッシーの生活と意見」の新作まで。ありがたやありがたや。
 早速、新作春樹短編の『偶然の旅人』を読んで就寝。外国にいると妙に日本語の本を読みたくなって普段じゃ読まないような本まで読んだりするけれど、やはりお気に入りの作家の文章って心地いいなーとしみじみ。
 そんなわけで、今日の写真はこっちの本屋で見かけた英語版『海辺のカフカ』の装丁。日本版よりも内容に即した具体的なマテリアルが多くて楽しい。