鋭いツッコミと長いストーリー

 書店にて、知人から本をすすめられた。
 ずいぶん分厚い小説だったので思わず「長そうだから面倒だなあ」と言ったのだが、真顔で叱られた。
 「お前が言うな!」
 なるほど、そう言われればもっともだ。その小説も『カレーライフ』や『自転車少年記』よりは短そうだったし。カレーライフ (集英社文庫)自転車少年記
 「作者が竹内真だったら俺だって読むよ」と言い訳したが後の祭り。冷たい視線を向けられただけだった。
 でも僕だって長い小説を全く読まないわけじゃない。グイン・サーガは新刊が出るたびにいそいそと買うし、北方水滸伝だって来月の最終回を楽しみに待っている。同業者や編集者からもよく読むねと呆れられることだってあるわけで、要は読書偏食&人見知りなんだな。読んだことない作家や一度肌の合わなかった作家にはなかなか食指が伸びないのだ。
 ついでに言うと、最近のニュースでは、秋に「白線流し」の完結編・正月に「新選組!」の続編が放送されるってのが本当に嬉しかった。最近はホームシアターばっかりで映画館で新作をみることが減ってるけど、唯一購入した前売り券はいうまでもなく「スター・ウォーズ」の「エピソード3・シスの復讐」だし。白線流し DVD-BOXNHK大河ドラマ 新選組 ! スペシャル DVD-BOXスター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐 (Lucas books)
 3本ともそれで終わりなのかと思うと寂しくもあるが、長いストーリーの続きと巡り合えるってのはそれだけで幸せなことだと思う。『オアシス』や『自転車少年記』の連載中に思ったんだけど、僕の作劇術ってのも基本的には「続きはどうなる?」式の発想のような気がする。


 そりゃそうと、今日まで再放送してた「王様のレストラン」はやっぱり素敵なドラマでしたな。全体のエピローグって感じの最終回に漂う余韻が「素晴らしい!」。王様のレストラン DVD-BOX La Belle Equipe
 そういえば三谷脚本のエピローグ的な部分ってどれも好きだし、いろいろ学ぶべき点も多そうだ。「新選組!」の土方編がどんな形で盛り上がるのか、今から楽しみである。