一番乗りと揚げ足取り

takeuchimakoto2005-09-11

 朝起きて一階に下りていくと、リビングで寝ていたくろべーがしっぽを振り振り出てきた。
 夜は好き勝手な場所で寝てるので、夏の間は涼しい場所を求めて大抵リビングで寝てるのだ。だけど今朝は様子が違うというか、どこか神妙な顔つきである。こういう時は何か後ろめたいことをしたに違いない。
 何事じゃいと確認してみたら、床に吐いた跡がある。ゲロというより胃液だけで、彼はたまにこういう吐き方をする。腹が減りすぎのせいか朝の冷え込みのせいか、どっちなんだろう。


 このところ藤門弘『犬もゆったり育てよう』(新潮OH!文庫)って本を読んでたせいか、犬の行動や心理について考える癖がついた。答えが見つかるか、そしてその答えが的を射てるかどーかはともかく、いろいろ推理を巡らすだけでも結構楽しい。犬もゆったり育てよう―「ぼんやり犬」養成講座 (新潮OH!文庫)
 朝の散歩は自転車で近所の公園に行ったのだが、ここで周囲に人がいない時はリードから解放するのが習慣になっている。ぱーっと走ってすぐにマーキングを始めるのがくろべーの習慣だが、それをわざと自転車で追い抜いてやるってえと実に焦れったそうな辛抱たまんなそうな歓声を上げて追いかけてくる。マーキングはしたいし走りたいしってジレンマの中、思わず高めの声でワンウォン吠えるのだ。それが面白いのでわざと挑発してやりつつ、この歓声吠えの心理ってのを考察してみる。
 最初は僕に置いていかれないように焦ってるのかと思ってたけど、だーっと追いかけてきた後はさっさと追い抜いていくとこを見ると、僕が問題なわけではいないらしい。自分が先頭に立てば満足して周囲の匂い嗅ぎにとりかかるし、その後は追い抜いても声を上げることはない。てえことは最初に追い抜かれるって状況が問題なようで、「一番乗り願望」みたいなもんがあるのだろうか。
 それって荷車を引く使役犬だったというバーニーズの遺伝子かもしれんし、もっと遠い先祖の狼の行動パターンかもしれない。狼が群れで行動していた頃には一番乗りすればいい食料にありつけただろうし、先陣を切って敵に挑むのって雄犬の役割だったかもしれない。あるいはそういう遺伝的な要素じゃなくて、生後間もなく兄弟犬たちと母乳を争った経験からくるのだろうか。単にくろべーの性格的傾向ってこともあるよな。
 そんなわけで結論は出ない。あれこれ空想することはできても、結論を出すには正確な知識が不足してるんだよな。


 ところで今日の画像は、新潮文庫のキャンペーンで貰ったブックチャーム。新潮繋がりである。
 昨日ポストに届いてたのだが、くろべーを背景に撮影したら例によってブレてピンボケだ。くろべーがクンクン匂いを嗅ぐと、鼻息で揺れるのがおかしかった。
 去年が銀で今年が金、金メッキなので結構軽いが、その方が使い勝手は良さそうだ。鍵がついただけじゃなくてよく見るとパンダ自体のデザインも多少変わってるようで、見比べてみるとなかなか楽しい。
 調子に乗って振り回してるうちに泉に落っことしちゃったりして、神様が現れて「あなたが落としてのはこの金の熊ですか? それともこっちの銀の熊ですか?」なんつってね。「いいえ神様、それは熊じゃなくてパンダなんです」と答えると、「お前のような揚げ足取りには映画賞などやらん!」なんて怒られたりして。
 我ながらなんのこっちゃい。