図書館回りと白線流し

takeuchimakoto2005-10-07

 京都へ取材旅行。
 「図書館の学校」誌の連載が年明けに最終回を迎えるので、その記念というか何というかで京都まで旅費を出してくれるってことになったのだ。僕としては1冊の本になるくらい続けたかった連載なのだけど、本来1年で切り替えるってところを何ヶ月分か余計にやらせてもらってるほどなので贅沢はいえない。京都行けるだけラッキーってなもんで、新幹線に乗っていざ入京。
 細かいことは記事の方で書くとして、つくづく感心したのは京都のタクシーのレベルの高さ。市内ではたちどころに流しのタクシーを捕まえることもできたし、どの運転手さんも観光案内が上手で親切だったし、何より料金が安いのが偉い。観光地で過当競争だからってこともあるんだろうけど、関東でも客待ちタクシーの大群がぼけっとアイドリングしてるような駅って山ほどあるんだから、変わりうる余地はあるんじゃなかろうか。特に僕の住んでるあたりのタクシーってのはおしなべて……なんて話はまあいいか。
 午後から夕方にかけて公共図書館を回り、夜は京都で染色をやってる友人にお茶漬けの名店に連れてってもらって夕食(本日の画像)。いったん逗留するホテルに戻って『白線流し』の最終章を途中まで鑑賞。……夜も夜で取材予定は入ってたのだが、最初だけ見るつもりがどんな展開なのかなーと気になってずるずる1時間半ばかり見てしまった。
 ドラマの序盤から中盤のカットバックというか、シーンとシーンの間に時間経過を挟む手法が興味深かったのだ。冗長な説明を避けてその間の展開を暗示するってやり方で、脚本の腕か編集の腕が分からんけど見事だなーと思う。テレビってメディアだと散漫な見方をされかねないから意味分からんと文句言う人もいるだろうけど、ある程度の集中を前提にすればかえって引き込む力にもなりそうだ。そういえばこの作品って、連ドラ時代はしつこいくらいテーマを言葉にして語ってたのに、回を重ねるごとに“語らないことによって伝える”って方向にシフトしてったような気がするな。
 僕が今回もっとも感情移入したのは冬美の描写で、彼氏の原稿で乱れる感情とか原稿を破く感覚とかでいろいろ記憶がよみがえってきた。おまけに彼女のバイト先って、僕も物書きとして食えない頃にやってたバイトで出入りしてたホテルなんだよな。彼氏と別れるシーンの従業員出入り口なんて、わりに暗い気持ちで通ってた場所だけに懐かしいやら切ないやら。
 まあしかし、いつまでも見てるわけでにはいかんので、長谷部が振られたところで切り上げる。病気と天文台の伏線と渉を選択するってことをどんな形で絡めるのかなって興味はあったが、どうせ自宅で録画してるのだ。最後の展開をいろいろ自分で想像するってのも楽しみ方の一つだろう。
 テレビを切ってホテルを出て、夜の四条河原町の賑わいを抜けて向かった先はまた図書館。つっても今度はお酒の飲める図書館で、ライターの図書館ひよ子さんが経営する「図書館」というバーに行くのである。雰囲気あって落ち着くお店で、豪快な氷になみなみと注がれたラムロックをいただきながら楽しく取材させていただいた。
 そのあたりのこともいろいろ書きたいとこだけど、冗長な説明は避けて連載の方に回すってことにしておこう。