くろべーの功績とオアシスの校正

takeuchimakoto2006-01-23

 雪の残る道を朝の散歩。澄んだ空気と朝日に輝く雪が気持ちいいなーなどと思いつつぼけーっと歩いていたのだが、途中でくろべーがぐいっとリードを引っ張った。
 道の脇に気になるものを発見した時の動きである。シャーベット感覚で雪を食べるのも好きな奴なので、これこれとリードを引き返した……その瞬間。
 雪道に財布が落ちてるのに気づいた。くろべーはこれの匂いを嗅ごうとしてたのだ。
 拾ってみたら結構重たい。近所の人のかなーと思って開いてみたら、一番上にどっかのお店のメンバーカードがあって、落とし主らしき人の名前や連絡先が書いてあった。
 帰宅してくろべーの足を拭いてリビングに入れ、僕は長靴を履いたまま電話をかけてみる(うちの電話は玄関にあるのだ)。落とし主の人はちょうど朝のお出かけ前に財布を探してるとこだったそうで、すぐに受け取りに来るってことになった。
 うちの場所を教えて電話を切った後、デジカメでお手柄写真を撮ったり朝食の準備をしたりしてたらチャイムが鳴った。出てみたら落とし主の主婦の方で、財布を手渡したらお礼をいただいてしまった。「ビール券なんですけど、もしお好きでしたら……」と封筒を差し出されたので、遠慮もしないで「大好きです」と受け取っちゃったのである。
 これでビールが4本買えるんだそうだけど、やっぱりこれはくろべーの功績だから彼に飲む権利がありそうだよなあ。


 なんでわざわざお手柄写真まで撮ったかというと、来月発売の『オアシス』ってのが、まさに犬が財布を拾ったりする物語だからである。
 その校正のタイムリミットが今日の昼頃で、僕は最終チェックのためにそのシーンを読み返したりしてたのだ。なんてもタイミングがいいというか、偶然の一致でシンクロニシティーで偶然の旅人というか……
 ちなみに小説『オアシス』の中では、オアシスという犬が拾った財布が元で偽札事件が巻き起こり、やがて某国のスパイ組織の陰謀へと繋がっていく。……ここはひとつ、くろべーと僕が物騒な事件に巻き込まれないよう祈っておこう。