「ミミズクとオリーブ」再始動と「ミステリーズ!」新人賞

 午前の仕事の合間に1階に下りてくると、玄関の電話機の留守電ランプが点滅している。図書館からの電話で、予約してた資料が届いてるそうな。
 早速車に乗り込み、駅前で買い物するついでに図書館へ。カウンターで予約資料を出してもらうってえと、「ミステリーズ!」っていう雑誌である。こないだ芦原すなおさんの『雪のマズルカ』を買ったら帯に「ミミズクとオリーブ」が「ミステリーズ!」で好評連載中だとのことだったので、掲載されてるバックナンバーを全部取り寄せてみたのだ。昨年秋に出た第13号から連載が始まってたのね。
 で、貸し出し手続きを追えていそいそと車に戻る。家に帰るまで待ちきれず、そのまま駐車場で読書開始。陽だまりの中で13号掲載の「ト・アペイロン」の序盤を読んだんだけど、いやあ楽しく心地いい。芦原さんのこういう新作が読めるってのはつくづく幸せだし、こうやって出先で読書用の個室を持てるってのも自動車の効用だようなあ。


 帰宅してからも、仕事の合間に「ミステリーズ!」を読む。というか読書の合間に仕事する。
 「ト・アペイロン」を満喫し、14号掲載の「NYアップル」へと移ったが、これは続き物の前編みたいな形なんだろうか。現在時制で河田警部が持ち込む事件が出てこないままだったので、どえーここで終わるかーと思ってしまった。15号はもうすぐ出るようだし、来週は仕事で東京に出るから大きい本屋で買って読もうかと思う。
 そして13号にはミステリーズ!新人賞の受賞作が載ってたんだけど、これが面白かった。偏食読書を常としている僕は知らない作者の作品ってあんまり読まないんだけど、ぱらぱらーっとめくってるうちに2パターンの文体を持ってる受賞作に興味を持ち、芦原作品の後で読み始めてしまったのだ。
 高井忍さんの『漂流巌流島』って作品なんだけど、これは是非単行本化してほしいなあ。「歴史検証型メタフィクションミステリー」として新ジャンルを開拓できるのではないだろーか。