シニャック複製画とショーケース目撃者

takeuchimakoto2006-04-15

 打ち合わせで東京に行くことになったので、ついでに取材や買い物。
 風は冷たいけど晴れた日ざしが心地いいので、早めに上京して古本屋めぐり。結局探してる本は見つからなかったのだが、かわりにシニャックの作品が数点収録された図録を発見。『モネ、ルノワール印象派展』ってタイトルなのに、シニャックピサロに結構ウェイトをおいてるあたりが渋い。
 嬉しいなーと思いつつ電車の中で開いたが、サイズ的に立ったまま読むのはしんどい。ひょいと途中下車してオープンテラスの店に入り、日当たりのいい席でコーヒーなど飲みつつアート鑑賞。ほのぼのといい気分である。


 その後も東京都美術館ブリヂストン美術館を回ってアーティスティックな午後を満喫。
 改装後のブリヂストン美術館に寄るのは初めてだったが、ショップでいいもの発見。ヨットを大きく描いた『コンカルノー港』の、わりに大きな複製画である。カンバスの質感もいい感じで再現されてて¥1000とはお買い得。そーいや古本屋での収穫も同じ値段だったな。
 そうそう、その複製画と絵葉書を買ってお金を払うとき、ボロ財布からカード類がばらばらっと落ちてしまった。慌てて拾い集めたが地元の図書館カードだけが見つからず、店員さんと共にあれれと困っていたら、近くにいたお客さんから声をかけられた。レジカウンターのショーケースの端にひっかかってるのを教えてくれたのだ。──その時のきれいなお姉さん、どうもありがとうございました。


 八重洲ブックセンターで買い物して(文庫版『それはまた別の話』)近くのホテルの喫茶室で担当さんと合流、銀座で飲んで夜中に帰宅。いそいそと『コンカルノー港』を額装して仕事部屋に飾る。それはまた別の話 (文春文庫)
 絵葉書の額は結構あるんだけど、大きめの絵はこれで3点目。それぞれの制作年代は1886年1906年・1925年なので、ぐるっと見回すと初期・中期・後期とシニャックの作風が変化していく様を眺められるようになった。各モチーフも山あいの川・低地の運河・港から外海となってるのも象徴的であるな。