小説モードの小休止と故障テレビの蘇生術
先週末から昨日にかけて、『自転車少年記』文庫版と『ワンダー・ドッグ』の仕上げ作業を完了させた。
なんだか今年前半は割に小説の仕事をしたなーと思う。ここらで小説家モードは夏休みってことにして、そろそろエッセイや翻訳の仕事にかからねば。
なんてなことを思っていると、速達で『じさーん武勇伝』のカバー色校ゲラが届く。そーいやこれの文庫版ボーナストラックたる第4話もこないだ書いたんだっけ。
にしても、こうして講談社文庫の黄色いカバーがつくとなかなか感慨深い。僕が講談社文庫ってのを認識したのは十代のはじめ頃(小学5年だったか6年だったか)で、星新一に夢中になって買い漁ってた頃だった。和田誠さんの表紙イラストも好きだったんだよね。
当時は「この会社の文庫だけカバーがツートンカラーで変なの」とか思ってたもんだが、これが十代後半になって村上春樹にはまる頃になると「こうでなくっちゃ」って感じになってたんだから不思議である。
だから今回の文庫化にあたり、カバーの色は何色がいいかと聞かれた時には、迷わず黄色をオーダーした。正式には山吹という色名になるのだそうだが、僕にとっては星新一色で村上春樹色なのだ。
てなわけで、ボーナストラック付きの『じーさん武勇伝』文庫版は8月11日発売です。──星新一と村上春樹にハマった奴がどーしてこんな無茶苦茶な話を書くんだと呆れながら楽しんでいただければ幸いです。
少年時代に影響を受けたといえば何はともあれ『ドラえもん』なわけだが、最近そのおかげで嬉しいことがあった。
うちのテレビがいよいよ末期状態で画面が横1本の線しか映らなくなったってのは前に書いたが、ふと「のび太ママが“斜め四十五度でここにチョップすると映るようになる”なんて言ってるシーンがあったなあ」などと思い出し、試しに実行してみたのだ。
するとアラ不思議。あんなに調子悪かったテレビが再び映るようになった。一晩おいてまた映りが悪くなった時に再度試してみてもまた復調、どうやら恒常的に効力があるようで、こりゃめでたい。
天国の藤子・F・不二雄先生に感謝。