下水工事の騒音と芦原作品の解説

イナダの野菜あんかけ定食

 朝っぱらから隣の家で下水工事が始まった。ドガガガとうるさいのなんの。
 まあ翻訳仕事は小説ほど集中を要しないので騒音の中でもそれなりに働いてたのだが、やっぱり能率は下がる。このあたりは家と家との隙間が狭いので、仕事部屋にいてもダイレクトに音が襲ってくる感覚なのだ。
 まいったなーと思ってるところに宅配便でゲラが届いた。僕の本のゲラではなく、芦原すなおさんの『ミミズクとオリーブ』シリーズの最新刊(来年刊行予定だとか)のゲラである。この本の担当者さんが、『雨鶏』の解説を読んで僕に解説を依頼してくれたのである。こーゆーのって物書きとして腕を買われたようで嬉しいし、それより嬉しいのは発売前から芦原すなお作品を読めるってことだ。これを役得と言わずして何と言おう。
 こりゃー不可抗力だと思って仕事を中断。ゲラを読むのだって仕事だもんねーと誰にともなく言い訳し、鞄にゲラと財布だけ詰めて静かなところにお出かけ。何故かサイクルウェアに着替えてロード車にまたがってたりするが、それはご愛嬌ってもんである。


 この『ミミズクとオリーブ』シリーズを読んでるとお腹が減って和食が食べたくなるので、昼食は居酒屋のランチ営業へ。ところがいざ食事って寸前に本の内容は八王子ラーメンの話になり、しまったラーメン屋に行くんだったーと後悔しきり。いや、まあうちの近所じゃ八王子ラーメンは食べられないんだけど。
 ともあれ、芦原ワールドへの愛が感じられる創元推理文庫(僕は創元の芦原作品は全部持っている)に自分の書いた文章がのるってだけでも嬉しいし、このシリーズの解説は一冊目の加納朋子さんも二冊目の喜国雅彦さんも名文である。その舞台で三冊目がおいらかと思うと腕が鳴るぜい。
 しかしこのシリーズ、既に推理小説方面からも讃岐料理方面からも軽妙な会話方面からも解説がなされてる。そこに新たに書くとなったら一体どういう方面から攻めるべきか、なかなか難しいところだ。
 まだ考えはまとまっておりませんが、芦原ファンの皆様、どーぞお楽しみに。