新刊本の反響と来訪者の無礼

柴田オースターの隣とは光栄♪

 朝飯食ってのんびり洗濯して、ベランダで干してたら外の道路に宅配便の車が停まった。ドライバーがうちの門を開けてるので下りていったら、ポプラ社から『チャーリーとの旅』の小包だった。訳者として10冊もらえるので、こないだ一冊届いた残り9冊である。
 昨夜から今朝にかけて、メールも結構いただいた。「本屋で見かけた」とか「探し回ったけど見つからなかった」とか「注文した」とかいろんな声が寄せられたけど、ぶっちゃけ僕自身の小説が刊行された時よりもずっと反響がある気がするぞ。これってスタインベックの力なのか装丁の力なのかポプラ社の力なのか、何なんだろ。


 昨日で確定申告も片付いたし、当面仕事はしないでのんびり暮らそうかと思っている。今日は昼からカレーでも作るかーと思ってラジオでビバリーをかけながら料理してたら、また玄関にチャイム音。出てみると見知らぬおっさんが立っていた。
「こんにちは。○○塗装工業と申しますが、お父さんかお母さんはいらっしゃいますか?」
 まったく。満35歳でもうすぐ36になろうって男をつかまえて、このバカは何だと考えたんだろう? 春休みで家のお手伝いをしている学生とでも思ったのか?
 そういや、前にニコタマ高島屋でも似たようなことがあった。自分の本の発売日に様子を見てみようかと本屋に寄ったところ、よくいるインチキくさい英語教材セールスの女から「こんにちは、学生さんですかあ?」なんて言われてしつこくつきまとわれたのだ。
 刊行直後ってえとこういう扱いを受けるってのは、本が出たからっていい気になるなよって戒めと受け取ればいいんだろうか。社会の役に立ってないって意味じゃ学生と一緒なんだぞって言われたよーな気がしてむかっとするのだが……考えてみりゃあそうかもしれないとも思ったりして。