猿口密度と動物写真

この猿はくろべーを凝視してます

 とーとつですが、この日記は移住4日目のものであります。引っ越し作業や1〜3日目のことは後からアップするか、そのうち本家の身辺雑記かmixi写真日記に書こうかと思っております。


 どうして4日目の日記をつけようと思ったかというと……
 今日の夕方、くろべー散歩の最中に猿の群れと遭遇したのである。このあたりの地域に野生の猿がいるのは知っていたが、別荘地の中までやってきてうちのすぐ近所にいるとは思ってなかったので驚いた。そして猿を見た時のくろべーの反応にも驚いた。
 まず最初は、ぼけっと坂道をのぼってるときに100メートルくらい前方で道路を横切っている動物を発見。なんだろうと目をこらしたら3匹のニホンザルのようで、僕がそう思ったのと同時にくろべーも気づいたらしい。キュンキュンと鼻声を上げ、リードを引く力を強めた。
 そこまでは他の犬を見つけた時と同じ反応である。しかし、猿たちもこっちに気づいて木に登ったり遠くへ逃げたりしはじめると、くろべーの息が荒くなった。僕の制止にも耳を貸さずに力いっぱい追いかけようとしてる感じで、野生動物との遭遇に猟犬の遺伝子でも目覚めたかって感じである。試しにリードから解放してやったらどんなことになるんだろーと興味が涌いたが、追いかけたあげくに猿の反撃にあって怪我でもしたら大変なのでやめておいた。
 しかし相手もサルもの、犬や人間相手には木の上や屋根の上に逃げればいいと分かってる様子である。おそらくくろべーが自由になっても追いつくことはできなかろうし、僕ならなおさら。タケウチ&くろべーはただ上を見上げて猿たちの様子を眺めるしかなかった。
 仲間同士で危険を知らせるためか、クワックワッって感じの声を上げる猿もいる。意外に高音&なんとなく聞き覚えがあったから、これまでどっかの小犬が無駄吠えしてるのかと思った鳴き声も猿の声だったのかもしれない。今回遭遇したのもよく見れば3匹じゃなかったし、中には赤ちゃん猿を抱いたメス猿なんかもいるから、このあたりも普通に彼らのテリトリーなんだろうか。
 子連れ猿はやはり機動力に欠けるのか、小洒落た別荘建築のとんがり屋根の上でこっちをじっと見つめている。デジカメを持ってくればよかったなーと思わずにおれなかったが、親猿の隣にいるもうちょっと小柄な若猿は人んちの屋根の上だってのにブリブリとウンコなんぞをしている。留守のようだからいいようなものの、自分ちの屋根からいきなりウンコが降ってきたら最悪だろうなあと思う。今後は屋根の近くを歩くときは気をつけた方がいいかもしれない。


 などとしょーもないことを考えているうち、デジカメを取ってこようかと思い立つ。家までは10分ほどの距離だったので、いったん坂を下って帰宅。干していた洗濯物を取り込んで上着を着込み、デジカメを持参で引き返した。
 2回連続で散歩に行くことなんて滅多にないのだが、くろべーは心得たとばかりに猿たちとの遭遇ポイントに向かってぐいぐい進んでいく。道を覚えてるのか匂いを辿ってるのか知らないが、日頃はあまり役には立たない彼も猟犬にしたら結構いい仕事をするんじゃないかとふと思う。いや飼主の贔屓目ってもんだろーけどさ。
 はたして猿は悠長に待ってくれてるものか確信はなかったが、さっきのあたりに戻っていったら道路端に佇んでる一匹を発見。いや一匹どころか木立の中には何匹も何匹もいて数すら勘定できない。平日の別荘地は人が少ないので、群れごとこのへんに出張ってきてるようである。──つうかこの界隈って、今日の時点では人口密度より猿口密度の方が高いのは間違いないよなあ。
 そんなわけで野生猿の撮影に挑んだのだが……猿は動くしフラッシュやくろべー声で逃げるしあたりはだんだん暗くなってくるし、いっぱいシャッターを切ったわりにまともに写ってる画像は少なかった。もちろん機材の性能もあるだろうけど、動物写真家の人達ってすごいんだなー。