カワセミとセミ、レーズンとクルミ

ボールを投げる前から全力疾走

 雨が上がって気持ちいい天気。ホームページのトップ画像を撮影しようかと思い、デジカメ持参で朝のくろべー散歩へ。
 ちょいと坂を下ってリゾートマンションの駐車場まで行くと見晴らしがいいし、管理事務所のあたりまで下りれば沢ぞいの遊歩道があるらしいのだ。ちょうど読書中の『カワセミの森で』にちなんで、カワセミに会えないかなーと思ったのである。
 歩き始めてすぐ、ゴミ捨て場にゴミを出して手が自由になった時点で振り返ると、きれいに見える三角の山にうっすらと霧がかかろうとしている。こいつはャッターチャンスと思い、くろべーのリードを外して声かけて撮影。(結局これをトップ画像にした)
 マンションの駐車場でも西の稜線が美しかったが、下界を見下ろすってえと霞がかかっている。てえことはあっちはまだ曇りなのかと思うと得した気分で、ここでもくろべーを解放して写真撮影(これが今日のブログ画像)。こんなにいい朝だってのにマンションは無人のようなので、僕らは軽くボール遊び。
 さらに下って管理事務所脇。別荘地の地図によるとここの池のほとりから遊歩道があるはずなんだが、アスレチック遊具はあるものの奥に進む遊歩道らしき道はない。草に覆われたか土が流されちまったか、何なんだろう。


 帰り道でちょっとだけ沢ぞいの道を通ったが、結局カワセミとの遭遇はなかった。いやそもそもここがカワセミの生息地かどーかもよく知らないんだけどさ。
 そして帰宅して布団を干そうって段になって、我が家のベランダでセミと遭遇。羽化したてなのか羽が朝露で濡れたのか、うまく飛べないようで、伸ばした棒にがしっとつかまってきた。カワセミじゃなくてセミかーと思うとちょっと惜しいところだったか、透き通った羽が朝日にきれいだったのでデジカメで接写。(これがmixiにのっけた画像)
 その後、洗濯したり皿洗いのあとで車でお客さんの出迎えに。生ハム巻きエビフライのおいしい店で昼食とってから大型ショッピングモールで買い出しして、帰り道でお洒落な人気カフェに寄り道。そこでおいしいコーヒー飲みつつ『カワセミの森で』を読む。
 午後のひとときにコーヒーと小説を満喫してそのまま読了。幹線道路に面したカフェだが敷地全体が森に包まれてるようなとこなので、この本を読むにはぴったりだったかもしれない。──前に芦原すなおさんの文庫本の解説を書いたとき、僕は混沌と純化というキーワードを使ったけれど、混沌の象徴たる森と純化の象徴たるカワセミを表題にしたこの作品を読んであらためて納得。人間心理の混沌にどうしようもなく惹かれつつも一すじの純粋さを貫くあたりが芦原すなおの作家性であり、この作品の語り手の特性なのかもしれない。


 そこからの帰り道、林道のパン屋が開店してるのを発見。今週前半には開店準備の内装工事をやってるのを見てたので、さてどんな店だろーと車を停めて中に入ってみる。石釜焼きのパン屋ってことで積まれた煉瓦も真新しくて好感がもてる。5分ほど待てばレーズンとクルミのパンが焼きあがるってことだったんで待たせてもらい、焼きたての大きなパンを買って帰路についた。
 帰宅するまで待ちきれずに車内でつまんでみたが、これが絶品。表面はパリっと中はふんわりってのはもちろん、焼きたてだってえとパン部分よりレーズン部分の方があったかくて、その食感もまたいいのだ。パンの香ばしさとクルミの香ばしさが引き立てあって、こりゃあ癖になりそーだ。
 癖になるといえば、夕食はそのパンと共に炭火焼。暖炉でおこした炭を七輪に移して食卓で焼鳥やシーフードを炙って食べるのだが、大ぶりにきった鶏肉を金串で焼いたおかげで表面カリカリ中はジューシーって感じで、塩コショウだけでたまらなく美味いんだなーこれが。