ステーキチェーンとモミジイチゴ

丼一杯の収穫

 梅雨の晴れ間である。今のうちだと朝から洗濯に励んで洗濯機3サイクル。
 昼はゲラ返送と買い物のため下山。蒸し暑いなーと驚いた。ラジオによれば下界じゃ30度を越える真夏日なんていってるが、うちのあたりは涼しいくらいで長袖で出てきたんだよね。
 食料や軍手(暖炉や焚き火用に純綿である)やサンドペーパー(木彫の仕上げ用である)といった買い出しの最中、昼は何食おうかなときょろきょろしてたら某チェーン系のステーキハウスの看板が目に付く。子供の頃によくいった店なので、こりゃいいやと車をとめた。
 このステーキチェーン、子供の頃はいかにも「家族で外食」って感じでちょっと高級感さえあった。まあ高級っつっても田舎のガキの普段着で行けた店だから大したことあないけれど、当時だんだん浸透していたファミレスよりはいい店って感覚だった気がする。ナイフやフォークの使い方やらスープの終盤の飲み方やら、ちょっとたした洋食テーブルマナー実践店ではあったしね。
 んがしかし、あれから20年以上たって見てみるってえと、随分とリーズナブルな店である。ランチセットは千円でお釣りがくるし、スープバーまでついてて飲み放題だし。当時からそうだったのに僕の感覚が変わったのか、時代に合わせて低価格路線に変わったのか、ちょっと気になるとこだ。まあステーキソースが相変わらずの味だったのが懐かしくも嬉しかったけど。


 帰宅後、夕方のくろべー散歩の時にパン屋のビニール製手提げ袋を持参。散歩ついでに木苺(モミジイチゴ)摘みに励む。
 週末あたりにジャムを作ろうと思い、ここ数日の間に実のなってるポイントをチェックしてたのである。今日明日は雨も降らないらしいから散歩のたびにちょっとずつ集めようかと思ってたのだが、今日は風が強いせいか地面に落ちてる実を結構みかける。熟してないのは摘みにくいし、熟してくるとこうやって落ちて種が発芽する仕組みなのかなあ。
 季節の変わり目に実がつき、風が強いと落っこちるってのもよくできた自然の摂理ではあるが……今夜のうちに落っこちたらもったいないと思い、目をつけてた群生地を一通り回って実を集める。
 僕が藪をかきわけたりトゲに刺されたりしてる間、くろべーは退屈そうにリードを引っ張ったりしてたが、ちょっと待っとれとフルーツピッキングに精を出す。1時間ばかり回ったら袋も結構重くなり、帰宅して水洗いしようと器にあけたら丼がいっぱいになった。
 これでも火にかけて煮詰めるってえとほんのちょっとの量になるんだろうなあ。

 そんなわけで皆さん、僕に木苺ジャムの美味しい作り方をおしえてください……