くろべーボールとTrends連載

これは取り逃した瞬間

 昨日で仕事が2つほど一段落と思ったら、今日は台風一過でいい天気の朝である。こういうのってちょっと嬉しい。
 雨で運動不足だったくろべーのため、散歩は朝夕とも近所のリゾートマンションの駐車場に出かけてボール遊びに興じる。──くろべーはテニスボールの食感(つうかくわえた感触)が大好きで僕が投げると大喜びで取りに行くのだが、それを利用した遊びを開発したのだ。
 マンションの駐車場の片隅にはプロパンガスの小屋があるので、僕はそこの壁に向かってテニスボールを投げる。くろべーはダッシュで取りに行くが、ボールは壁に跳ね返って僕の方へ。くろべーは走るだけ走ってなかなかボールをゲットできないって趣向である。下手にくわえるとなかなか離さなくなってそこでボール遊びが終わっちまうので、なかなかキャッチさせないことにしたのだ。
 くろべーもそうは騙されずにリバウンドを読んでインターセプトを狙ってくるので、僕はボールの緩急やコースを変えながら的確にキャッチしないといけない。その駆け引きがなかなか面白いので、僕も朝の高原の冷気の中で軽く汗ばむくらいに遊んでしまうのであった。
 くろべーボールと名づけたこの遊び、まるで無人のリゾートマンションだからできるけど、都会でやったら音がうるさいとか犬を放すなとか怒られちゃうんだろうなあ。


 今日は外出の予定も来客の予定もないので、家にいる間は昼間から梅酒なんぞ飲みつつメール書きに励む。こういう日は何故か返事を要するメールがたくさん届くし、長編の手直しのアイデアも涌いたりして忙しい。それから昨日仕上げた短編の関係でアメリカのアーティストのリー・モスさんにお礼状を出しといたんだけど、英語でメール書くのって妙に時間かかるよなあ。
 この短編、2005年にオーストラリアに取材にいってきた成果を、ようやく作品に活かすことになった。長編に仕立てようかと思ってたネタを短編に使っちまうのはもったいないかとも思ったが、英語と中国語に訳されてこれまでになくたくさんの人に読まれるはずの作品だし、後で短編から長編にブローアップする手もある。とにかく書いちまえーってことで仕上げた短編は──来月から外務省の日本紹介サイト「Trends in Japan」 (http://web-japan.org/trends)にて3ヶ月間連載される予定です。
 タイトルは、『三つのかけらの物語』。考えてみると、この家に越して一から書き上げた最初の作品かもしれない。いろんなネタを欲張ったせいで詰め込みすぎの感もあるけど、媒体に合わせていろんな日本文化を紹介したり連載の形式に合わせていろんな謎を設定したりしてるので、よかったら読んでみてください。