電動鋸と物干竿

仕事部屋から撮影してみました

 午前から午後にかけて、『珊瑚朗先生無頼控』第4話のプロット練り作業。……いまさら言うのも何だけど、ミステリー書くのって難しいねえ。
 午後もだいぶ回ってようやく執筆を始めたが、その頃になると外でチェーンソーの音が響き始めた。電力会社が派遣してくれた樹木伐採の作業員の人達が働いてんのである。
 なにしろ我が家は森の中にあるので、伸びた木の枝が電線に絡みそうになっている。こないだの台風の前日に電気保安協会の人が定期点検にきたので相談してみたところ、無料で伐採してくれるとのことだったので頼んでおいたのだ。
 この作業、僕が自力でやるってえと汗だくになって一苦労する上に、必ずしもうまくいくとは限らない。以前朝から一人で切り始めた時など、切断されかかったカエデの枝が傾いでもろに電線の上に落っこちそうになり、慌てて支えて大声でまだ寝ている客人を呼んで助けを求めたこともある。
 それがプロの腕にかかると実に手際よくあっという間に進んでいく。やっぱりチェーンソーって便利そうだなーと物欲しげに眺めていた僕であったが、この音の中じゃ仕事にならないのでくろべーの散歩に行くことにした。
 で、散歩から帰ってきたら電線周りの木々がばっさり切られて実にすっきりしている。こりゃいいやと思ったが作業員のおっちゃんはばつの悪そうな顔をしていて、「すいません、物干し竿が……」と頭を下げてきた。
 みれば、アルミ製の物干竿が途中でぼこっと凹んでいる。なんでも落とした枝がちょうど竿にぶつかって折れちゃったんだそうな。やたらと恐縮してすぐに弁償しますと言っているおっちゃんであったが……無料で庭仕事をしてもらった上に物干し竿を新品にしてもらえるなんて実にラッキーな話である。
 伐採した枝も置いてってもらったので、手頃な長さに切って乾燥させりゃあ暖炉の薪もたっぷりできそうだ。ミズナラクヌギは薪に最適らしいしカエデの枝は次の木彫の素材にするつもりだし、なんだか宝の山みたいに見えるなあ。