体育館シューズと朗読イベント

下を見下ろすと結構こわい高さです

 朝の散歩に出る際、ラスカル梯子を設置したウリハダカエデの木を見上げてふと思いついた。──地下足袋はサイズがなくて買えなかったけど、高校時代の体育館シューズを履いたら木登りがしやすいんじゃなかろーか?
 貧乏性で物が捨てられない僕は、今でも高校時代の体育館シューズを所持してるのだ。大学時代の体育の授業や卒業後に友人とバスケしたりする時に使ってたんだけど、試してみたらこれが実にいい感じ。これまで片足しかのせられなかった段にも両足をのせて落ち着くことができ、ずっと楽に登れる&これまで進めなかった枝にも登れる。こういう発見って気分いいね。


 昼前、『珊瑚朗先生無頼控』の第四話を書いてたら電話が鳴った。某有名放送局の人からで、朗読劇のイベントで僕の短編を使用したいとのこと。もしやと思ってタイトルを確認したら、やっぱり『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』だった。
 この作品、アンソロジー本に収録されて刊行されてから1年くらいしかたってないと思うんだが、これで2回目の朗読上演ってことになる。特に意識して書いたわけじゃないんだが、何か朗読向けの要素があるんだろーか?
 考えてみると妙なもんで、『自転車少年記』はやたらと試験問題に使われたし、『粗忽拳銃』はやたらとドラマ化企画が、『カレーライフ』はやたらと映画化企画が出た。映像企画ってのは大抵ぽしゃるってようだけど、作品ごとに二次使用の傾向が違うってのは面白いもんだ。


 電話で中断したついでに午前の仕事を切り上げて1階へ。ラジオをニッポン放送に合わせて最大ボリュームで庭に向け、木曜ビバリーを聞きながら木登りして、こないだ設置してもらった最上段の梯子の塗装作業。
 薪用の木の枝をウリハダカエデの幹に打ち付けてあるのだが、側面を塗装しといた方が長持ちするかなと思って側面を塗ることにしてるのである。たまたま余ってるペンキを使ってるので、下の5段は緑色、それより上はアイボリーってことになっている。緑ゾーンは樹液も固まってて体重かけても安全だけど、アイボリーゾーンはまだ固まりきってないので要注意って感じである。
 要注意といえば、我が家の木登りの場合は登るときより下りるときの方がおっかない。荷物持参だと危険度が増しそうなので、ペンキのついた筆は地面に放り投げたが、ペンキ缶は落とすとこぼれちまいそうである。このあとももう1段くらい設置することがあるかなーと思い、樹上に残しとくことにした。
 そーいえば昔読んだ少年向け推理小説に『木の上のたからもの』ってのがあったなーと思いつつ、はしごにつられて木登りした人がこのペンキ缶を発見したら中に宝物が入ってると思ったりしたら面白いなあ。