手斧の薪割りと雑誌の窓拭き

こんな感じで割ってます

 日頃はあんまり働かずにのんびり生きてる僕だけど、昨日今日は結構働き者だった気がする。
 わりに雨がちの天気だったのが昨日から晴れてきたので、田舎暮らしの象徴ともいうべき薪割りにチャレンジしてみたのだ。去年こっちに来てから薪割り用の斧を買おうとして品切れだったので諦め、わりに細めの薪ばかり使っていたのだが、チェーンソーを購入して丸太を手頃な幅に切れるようになったことで事情がかわってきた。──まっすぐな部分を短めに切れば、うちにある手斧でも充分に薪割りができると判明したのだ!
 で、こないだからせっせと切断してきた薪を今度はばっさばっさと割りまくっている。巻き割り台にしてる切り株の上に円柱状の薪を立て、大きく振りかぶった手斧の思い切り振り下ろすのだ。狙い過たずに斧が薪にヒットするってえと、気持ちいいくらいにすこーんと二つに割れる。その感触が癖になり、ついつい過剰に働いちまうってわけである。
 当然、腕から肩のあたりの筋肉がつかれてくるし、別のダメージもある。クリーンヒットできれいに割れるってえと手にはそれほど衝撃がないのだが、狙いがそれたり薪が硬かったり(枝分かれの部分は木目がまっすぐじゃないせいか結構わりにくい)大きすぎたりするとがつっと斧が食い込むだけで割れはしない。どうかすると食い込んだまま抜けなくなって斧+薪をガンガンと巻き割り台に叩きつけるハメになり、その際の衝撃が結構なもんなのだ。作業後は腕がだらーんと疲れる結果となって、水滸伝の黒旋風こと李逵ってすげーなーとつくづく思う。
 そういえば、北方水滸伝には“李逵の進むところ首が飛ぶ”みたいな表現があった。実際に手斧で薪を割る威力を味わってみるってえと、その感覚がリアルに分かる気がする。薪割り用の大きな斧だとそれ自体の重量がパワーになって薪を割るわけだが(これはこれですごく気持ちいい)、手斧の場合は自分の力で割るのでアグレッシブな感触が味わえるんだよね。
 ともあれ、薪割りで汗かいたあと、のんびり風呂に入ってビール飲むってのは実に気持ちいいですな。


 今日は薪割りの他にも、晴れの日の定番の洗濯&布団干しにも励み、珍しく掃除もした上にガラス拭きにまで着手してみた。
 なにしろ家の中で焚き火してる暖炉生活なので、火の扱いがうまくないと室内に煙が充満する。ガラスにもその影響が積み重なって、最近は晴れた日でも外が曇りに見えるようなガラス窓になっていた。今日はバケツに水汲んでボロ布で濡れ拭きし、その水分を紙でふき取った。──新聞紙を使うとインク成分でツヤが出るってのを聞いたことあるのだが、我が家に新聞はないので(だいたい配達してもらえるんだろうか?)雑誌を使った。ありがたいことに、頼んでもいないのに届く小説誌ってのが結構あるし、これがほどよく紙質悪い上にちょうどハンディサイズ。景気よくびりっと破いてキュッキュッと拭いてく感触は、薪割りほどじゃないけどなかなか気持ちよかった。
 がーっと働いてもまだ朝の9時台で、そんじゃあ仕事もするかーと仕事部屋へ上がる。昼飯どきまでのんびり執筆&休憩の読書に励んだ後、ビバリー昼ズを聞きつつ料理&昼飯。食後にふらっとベランダに出て……ってところで、ふっと肌に冷たいものを感じた。
 雨である。空は晴れてるのに雨がぽつぽつ降ってきて、ふと気づけば急に風も吹いてきた。慌てて布団類を寝室に放り込み、洗濯物を取り込んだ。今日は布団カバーや枕カバーも洗ったので夜までに乾いて欲しかったなーと思っていると、降ってきたときと同じくらい唐突に雨風がおさまった。
 これだから山の天気は……と思いつつ、一度だまされたもんだからもう一度布団を干そうって気にはならなかった。そのくせ電気毛布と布団カバーだけは干し直したんだから我ながら中途半端というかなんというか。