ランバージャックとガーデニング

ここに道を通すのだ!

 明け方にざーっと雨音が聞こえたが、目覚めてみたら久々の快晴の朝。散歩と朝食済ませた後は庭に出て、力仕事にとりかかる。
 ラジオ聞きつつ作業したんだけど、パーソナリティートークが流れてる間は薪割り、CMや音楽や交通情報なんかのときはチェーンソーで丸太切断って感じでせっせと働く。時計見ながら作業してたわけじゃないが、午前の番組が次々と終わってくのを聞いてると結構長いこと働いてるんだなーって実感できる。お店とか工場とかの自営業の人ってラジオを流しながら働いてる人が結構いるけど、こういう効用があるんだね。(ちなみにおいらは、本業に励むときは言葉が聞こえると集中できないのでラジオじゃなくてインスト音楽をBGMにしている)
 そんなこんなで、薪にしようと思って準備していた丸太を一通り切ったり割ったりしおえた。しかしふと見れば、テラス下の薪置き場にはまだ結構スペースが余ってる。こうなるとコンプリートを目指したくなるというか、どうせならここにぎっしり薪を並べた方がカッコいいなーと思い、庭の一角に目をやった。
 去年、強風時に電線に絡まないようにと電力会社の人に高いとこの枝を伐採してもらった木があるのだが、それの地上部分が結構残っている。木の種類はカエデとミズナラで、特に葉が繁る様子もないし、この際だから切り倒しちまって薪と木彫りの材料にしたろうと思い立った。
 ここまではチェーンソーのコードが届かないので(コンセント式なのだ)、ノコギリでぎこぎこと作業。倒れる方向を調整するために紐を投げ縄みたいに引っ掛けて近くの木に結び付け、どどーんと倒すこの快感。二本とも切り倒すと結構疲れたので切断はまた今度ってことにしたけれど、今後もたっぷり薪割りできると思うと楽しみっちゃあ楽しみですな。


 中途半端な木を切り倒したついでに、庭のこのあたりをすっきりさせれば道が作れるなーと思いついた。──我が家までは車の通るアスファルト道からセメントで舗装された歩道に入り、そこから僕の整備した砂利道を歩いてくることになってるのだが、もう1本道を通せば2ルート作れるのである。
 既にアプローチはあるわけだから2ルート作る必要は特にない。まあ下の道から上がってくるときにはちょっと近道できるようになるだろうが、当面はヤマツツジが繁ってて通りにくそうでもある。花の時期が終わるまでは枝を切りたくもないしなあ。
 まあしかし、こういうのは必要があるから作るんじゃなくて思いついたから作るもんなのだ。ボロ家の補修ってのはプラモデルを組み立てたり塗装したりって感覚に似てるけれど、こういう庭の土木仕事ってのはジオラマを作る感覚に近いのかもしれない。少年の頃の遊び感覚を1/1スケールで楽しめるわけだし、東京周辺の住宅事情を思えばこうやって庭に道を作るってのは贅沢ってもんだろう。
 元来が怠け者だから、こういう作業って家の手伝いとかバイト仕事とかでやらされることになったらきっと嫌々やると思う。しかし薪割りにしろガーデニングにしろ、自発的な遊びでやるとなると嬉々として汗水垂らすんだから不思議なもんだよね。
 つうわけで、今後はぼちぼち縁石を並べて地面を均して砂利を敷いていく予定。完成はいつになるかなーと思いつつ、心地よく疲れた体を温泉で癒やす。湯上りにビール飲めないのが残念ではあるけれど(事情があって禁酒してるのだ)、これぞ山暮らしの醍醐味って感じの一日だった気がする。