京都の取材と電話の断線

これはダミー電線

 21日から22日にかけて、取材仕事のために家をあける。くろべーをペットホテルに預けて新幹線で京都に向かったのだが……
 取材のことについては記事の方(7月発売の「dancyu」8月号)で書くとして、出かける前におきた事件について。まあ事件というか、ちょっとした謎解きが面白い出来事があったのだ。


 21日朝、出かける前のメールチェックと思って寝起きにパソコンを立ち上げたところ、ネット回線が繋がらないことに気づいた。電話も繋がらない。どーゆーこっちゃいと何度もコードをつなぎなおした結果、昨晩の強風で電話線が切れたんだろうと結論した。
 案の定、外に出てうちに繋がる電話線を辿っていってみると、一段下の道で木に絡んで垂れ下がってる電線を発見。しかし新幹線の時間もせまってるので自分で修理したり修理を頼んだりする暇はない。そこで出かける際に管理事務所に寄って事情を説明……しようと思ったら、朝はやすぎて誰もいないのでメモで状況を説明して確認とNTTへの連絡を頼んでおいた。


 で、京都行って仕事して、22日朝にくろべーを回収、昼頃に管理事務所に行ったのだが……
 スタッフの方から告げられた結論は、「垂れていた電線は現在使ってないもので関係ない。NTTが調査をしたところ回線は切れてないので電話機内部の故障だろう」とのことだった。ためしにスタッフの一人が別の電話機持参で竹内家に入り(別荘地なので鍵は預けてあるのだ)、それをジャックに繋いで管理事務所に電話してみたら普通に繋がったので、問題は断線ではなく竹内家の電話機であるのは間違いないというのである。
 それじゃあ僕の勘違いでスタッフに迷惑かけたわけで、無駄手間かけさせたのを詫びた上で電話機を買いなおさなくちゃならんか……と、一度は思った僕であったが。
 どーもおかしい。電話機は一年ちょい前に買ったばっかの複合機で他の機能に何の問題もないし、電話とパソコンが強風の夜が明けたらたまたま同時に壊れてたって可能性は天文学的に低いんじゃなかろーか。ジャックと電話を繋ぐコード自体は古いからそれを新しいのに交換して、パソコンも電話も一度電源を抜いて放電してから再起動して……などと試行錯誤していた、午後3時頃のこと。
 ひょいと受話器をとってみたら、ツーッと発信音が聞こえた。回線が繋がってるのだ。それが聞こえるってことは、電話機は壊れちゃいないのだ。
 なーんだよかったと一安心。ちょいとトイレにいった後で管理事務所に連絡入れよう……と思いきや、またもや通じなくなっている!
 なんなんだこれはと途方にくれつつ、その時点で一つの仮説が浮かんだ。夕方の散歩の際に管理事務所まで下りていって(なにしろ他に連絡手段がない)それを告げ、あらためてNTTの故障係に連絡とってもらったところ。
 結局、僕の推理で正しかった。僕は最初からなーんも間違ってなかったのだ。かといって、管理事務所のスタッフが嘘ついてたわけでもない。いつも真面目で親切な皆さんで、困ったことがあると力になってくれるのだ。今回も彼らの仕事には何一つ落ち度はなかった。
 となると、どういうことなのか。どういう原理で竹内家の電話が不通になり、仕事やら何やらで微妙な行き違いを生む結果となったのか。
 あえて真相は書かずにおきますが、皆さん推理できますか?