嬉しい新刊と悲しい納税

建設中の新道で記念写真

 昨日今日と、宅配便や郵便でいろんなもんが届いた。
 注文してたくろべーのドッグフードが届いたのはありがたいし(これでしばらく食いっぱぐれないね)、もうすぐ発売の『シチュエーションパズルの攻防』が届いたのは嬉しい(まさかおいらの本が創元クライムクラブから出るとは!)、なんとも気の滅入る配達物もある。
 そう、税金の通知である。
 6月頃に住民税の通知がくるのは覚悟してたが、それにしても高いし、今年はそれだけじゃなかった。予定納税の通知なんてのもきやがったのだ。
 何年も前、担当編集者から某売れっ子作家の懐具合についての噂を聞いたことがあった。「収入が○千万を越えると予定納税っていって稼ぐ前のお金に税金をかけられるんだよ!」なんて脅かされ、そりゃあ恐ろしい話だべーと思いつつも、おいらにゃ関係ねーやバーローなどと思ってたのだが。
 誓って言うが、僕は○千万も稼いじゃいない。その大先生ほど売れちゃいないって事実を疑う人はどこにもいなかろう。なのにどーして予定納税なのだ? 課税基準が変わったってことか(ありそうな話だ)、編集者が話に尾ひれをつけて嘘ついてたってことか(もっとありそうな話だ)、どっちなんだろう。
 そもそも僕より儲かってる作家なんて星の数ほどいるだろうけど、そーゆー人たちってみんな予定納税してるのかなあ? うまいこと法人化して節税してるんだろーか。帳簿作業の嫌いで編集者との付き合いが苦手なおいらは、こういうことを考えるってえとエージェントにでも全て丸投げしたくなるんだよなあ。只でさえ少ない文芸エージェントが僕の面倒なんてみてくれるのかは大いに疑問だが。
 世の中では「文筆収入だけで生活できてる作家なんてほんの一握りしかいない」っていう迷信がまことしやかに語られてるけど、僕は知名度でも売れ行でも間違いなく「ほんの一握り」になんか入ってないはずである。下手に税率上がったり身分不相応に課税されたりするくらいなら、今以上に仕事さぼってビンボー田舎暮らしを満喫するべきではなかろうか。
 ……などと、ふと人生設計について考えさせてくれた税金通知なのでありました。今月も来月も納税かあ。嫌だなあ。