くろべーカルテットとおてもりラーメン

しろべー・きろべー・ちゃろべー・くろ

 このところ趣味の木彫に励んでいる。
 越冬中に大まかな型抜きだけしておいた、くろべー型箸置きを完成させることにしたのだ。これまでちょこちょことしか削ってなかったのだが、やりだすと早いもんである。困ったのは梅雨どきで晴れないもんだから目止めやスプレー塗装の後で乾燥させるのが大変ってことかな。
 ともあれ、これまで2つ(箸置きの場合も2膳と呼ぶのかな?)だったものが4つになるとなかなか壮観である。あくびしてるポーズで口を開けてるおかげで、4体並ぶとカルテットで四重唱してるみたいだ。


 作ったものつながりで、最近は暖炉でラーメンを作る技を編み出した。これまでラーメンってのは店で食うかインスタントで済ますかって感じだったけど、この方式なら家であれこれ作れるのだ。
 発想の元になったのは越冬中によく行ったラーメン屋で出してくれた豚のナンコツ料理で、薄切りにした豚軟骨をやわらかく煮込んで塩コショウっていう一皿なのだが、これがビールによく合って美味い。で、こないだスーパーで豚の軟骨を切ったものを売ってたので、それをダシ汁と塩と一緒に飯盒に入れ、暖炉で煮込んでみたのだ。
 梅雨寒のおかげで暖炉に火を入れてるので、長時間ことこと煮込むってのにはうってつけ。やわらかく煮込んで美味しくいただき、ついでにビールも進んだのだが……ここでふと気づいた。ナンコツはもちろん、取り皿に残った煮汁を飲んでみたらこれが美味しいのだ。
 そこで飯盒に焼きソバ用の中華麺を入れて煮込んでみた。これはどっかの日本料理屋で、鍋の最後に入れる麺ってのが見るからに焼きソバ麺だったことから思いついた方式である。焼きソバ麺ってのはどうやら、のびないためにかくっつかないためにか、一度茹でた麺を油でうすーくコーティングして固めてあるようなのだ。炒めるものだって先入観があるけれど、さっと茹でれば普通にラーメンの麺なのである。
 そしてもちろん、我が家の暖炉で作ったものもいい感じに豚骨ラーメンっぽくなった。塩や醤油で味を調えるってえと、下手なラーメン屋よりよっぽどうまい。こりゃいいやとばかりに平らげで満腹満足であった。
 それ以降、またスーパーでナンコツを見かけるってえと購入し、粉末ダシと塩だけじゃなく、キノコ類やネギ類も一緒に煮込んだりしてスープに工夫している。麺は別に湯掻き、テーブルの上に醤油や塩やニンニクやショウガを用意して、小鉢の中で自分ごのみの味を調えるのだ。お好みでネギやノリやゴマやチャーシューを入れたりしても、なかなか楽しい調理&食事となる。
 これなら来客をもてなすにもいいかもね。なにしろ作るだけでも結構楽しいし、味付けはセルフサービスだから仮にまずくたって自己責任なのである。4人分くらいまでなら手持ちの飯盒で何とかんなるし、そのラーメンを出す際の箸置きはくろべーカルテットに任せるってことで完璧だしね。
 そんなわけで、あまり真夏になると暖炉に火を入れるには暑いので、おてもりラーメンご希望の方は梅雨明け前もしくは秋風の吹く頃にどーぞ。