進化の弊害と木彫の安堵

最近はこんなのを作ってます

 昼前に車で下山。お盆の行楽シーズンはやたらと道が混むので出かけたくなかったのだが、電器屋から修理が終わったから取りに来いと言われちまったのである。
 ちょっと前にFAX複合機イカレてたのだ。ある日ふと気づいたら電話が繋がらん上に何の操作もきかず、一度コンセントを抜いたら二度と目覚めなくなった。──はた万次郎画伯の名著『北海道田舎移住日記』で読んだことのある症状とおんなじだから、どーやら雷にやられたらしい。
 家全体の配電盤についてる漏電ブレーカーが雷に反応して落ちる仕組みなので安心してたのだが、それだけじゃきかない場合もあるのだろう。……それにしても、同じコンセントに繋いでた他の電子機器は無事だったのに、このFAX複合機だけダメになってんのが悔しい話である。根性たらんぞブラザー。


 つうわけで、ある日ふと気づいたら電話が繋がらなかったのだ。まあパソコンは無事だったおかででネットには繋がるから、それはそれで個人的には困らんのだけど……
 あるいはその間に僕に連絡とろうとした方もいらしたかもしれませんが、そういう事情だったのです。どーもすいません。まあ何人かにはメールで伝えたし、さしあたり急ぎの仕事はないので大丈夫だと思うけど……つうか、ちっとは仕事せんといかんよなあ。夏の定番、カレー絡みの仕事も一段落したし、抱えてるのが書き下ろしだけだとどんどん浮世離れしちまうようであります。
 仕方ないので複合機は修理に出し、電話は電話線直結で電源なしで動くやつを繋いでおいた。しかし複合機っつうだけあって修理中はコピー機やパソコンのプリンターやスキャナの機能も全く果たせないわけで、機械の進化のおかげでかえって不便になってるような気がしないでもない。


 つうわけで、電話もらっていそいそと出かけたというわけである。やっぱり道は混んでいて、日頃は誰もいないような川原に何台もの車が並んでたりする。
 カーラジオはどの局でもオリンピックの話題ばかりだが、日本人の多くはそんなもんとは無関係に行楽を楽しんでいるらしい。なるべく混雑をさけて裏道を走ったつもりだけど、それでも混んでるのはみんなが抜け道を知ってるせいだろうか。これもカーナビの進化の弊害かなあ。
 せっかく下山したので、パン屋やスーパーや道の駅を回って食材の買い出し。これでしばらくは飲み食いに困ることもなかろうから、人出が多い間は家にこもってのんびり木彫りでもして過ごしてよーかと思います。──ナイフで木片を削るっていう原始的な行為が妙に心地いいのは、ここには進化の弊害なんてものがないからかもしれないなー。