モーニングコーヒーとマガークファンタジー

緑がドラゴン、青がウィッチ

 朝起きたら8時過ぎだった。日頃5〜6時に起きる朝型のおいらには実に珍しいことである。
 寝坊の理由は単純で、昨日は久々にサイクリングで体力つかった上に深夜まで本を読んでたからだ。迷惑したのは腹をすかせたくろべーで、さあさあ朝ごはんだよと急かすこと急かすこと。
 朝食の後は散歩。いつもと時間帯が違うせいか、散歩中に知り合った別荘族のご夫人から声をかけられ、そこのお宅に招かれてモーニングコーヒーをいただくことに。くろべーもその家の雌犬と遊んだりお菓子をもらったりして喜んでたが、こーゆーのは朝寝坊は三文の得というのだろーか。


 昼は下山して仕事の打ち合わせと食材の買い出し。帰りに管理事務所に寄ると、海外から船便の封筒が届いていた。
 中身はこないだアマゾンで取り寄せた本で、書名は『The Case of the Dragon in Distress』──日本でも有名なマガーク探偵団シリーズの、番外編ともいうべきマガーク・ファンタジーってシリーズの1作目である。
 僕は以前、この2作目の『The Case of Weeping Witch』って本を手に入れていて、暇なときに趣味と勉強を兼ねて翻訳作業を行っていた。不安定な自由業でも机に向かう習慣を崩さないようにと思って始めたことなんだけど、これが単純に面白いんだよね。作品的に連続してるので2作目の翻訳には1作目も不可欠だなーと思って取り寄せたってわけだ。
 海外の中古本を取り寄せるシステムなので結構安いし(送料込みでも日本で新刊単行本を買う程度)、アメリカの公共図書館の本が払い下げられて売り物になってるおかげで本の来歴を知ることができるのも楽しい。前の『魔女の涙事件』はフロリダの図書館の本だったが、今回の『ドラゴンのため息事件』はテキサス州ヒューストンの図書館から我が家にやってきた。思えば数奇な運命だよなあ。
 『ドラゴンのため息』ってのは勝手につけた邦題だけど、表紙を見るだけでも一体どんなストーリーなんだろうと好奇心が膨らむ。なにしろ描かれてる登場人物はマガーク・ジョーイ・ウィリー・ワンダ・ブレインズ・マリといった探偵団の6人だし、背景は中世のファンタジー世界(マガーク・ファンタジーシリーズは時間旅行もののSFなのである)。子供の頃に味わった物語へのわくわく感がよみがえってくるようだ。すぐにでも訳したいけど……とりあえず明日からは書き下ろし長編にとりかかるんだよなあ。
 まあ翻訳版権をとったわけじゃなくて勝手に自主翻訳してるだけなんだけど、2作を訳し終わったらどこかに企画を持ち込んでみようかなあ。──マガーク探偵団シリーズの版元はあかね書房だけど、ファンタジーシリーズの翻訳版権はどうなってるんだろう?