水道と滞納

日記とは関係ない、製作中の豹柄猫

 今日の午後、生まれて初めて水道が止まるってことを経験した。
 トイレで小用を足して流した後、タンクに水が入らないのであれっと思ったら、台所の蛇口からも水は出ない。──風の噂で、電気・ガス・水道のうち、水道が一番生死にかかわるから、多少料金を滞納したくらいでは止まらないって話を聞いた覚えがあるんだけど、止まるときは止まるんだねー。 
 つっても、今回に関しては僕が滞納したわけではない。自慢じゃないが、小心者なので昔から家賃とか公共料金とかはきっちり払う方なのだ。年金は数年間加入しなかったけど、それは制度および運営体制に本質的なうさんくささを感じてたからで、それが間違ってないことは後に嫌というほど証明された。まあ今は仕方なく払ってるんだけどさ。
 ともあれ、今回の水道代に関しては、僕が冬の間に住んでる部屋の先住民というか、夏の間に住んでた人が料金を滞納してたせいで今になって止まったらしい。入金をすっかり忘れていた上に督促状や閉栓の予告(脅し)には目も通してなかったってんだから大したもんで、そのツケが僕にふりかかってきたわけだ。
 しかし、これって結構な問題を孕んだお役所仕事じゃあるまいか。督促状も水道止めるぞ通知もその契約者の方にいっただけで居住中の僕には届かず、おいらはな〜んも知らされないままあるとき突然水が止まったわけで、仮に体が不自由な人だったりしたらそれこそ命にかかわってたかもしれない。──どうせ代行業者が今日の昼過ぎにわざわざやってきて栓を閉めてったんだから、その際に一声かけてくれりゃあ僕がたてかえて払うことだってできたのだ。そのころ僕は在宅してたんだし、てえことは業者はこっそりやってきてこっそり栓を閉め、ポストに「料金未払いで水を止めるがこの結果損害が生じてもうちのせいじゃない」みたいな書面を放り込んでったのだ。まず水を止めりゃあ住人は慌てて払うだろうって発想なんだろうけど、なんだかやり方が横暴かつ粗雑だよなあ。
 まあ何やかんやあって、水道局や徴収業者と先住民で連絡がついたらしく、再び水が流れるようになったのでよかったが、一時はどーなることかと思った。家の中にある水分を見渡し、缶ビールとカスクワインとサーモマグのインスタントコーヒーの飲み残しだけだと判明し(おいらの生活ぶりが分かるね)、慌ててくろべーと散歩に出て公園で空のペットボトルに水くんだりしてね。
 まあそういう意味じゃ、公園で好きなだけ水道が使えるってのもありがたい話だなと思ったが、これってホームレスの発想もしれないね。やっぱり今の僕みたいな変則的な居住形態じゃなくて、しっかりと定住地を決めなきゃいかんのかもと思った出来事であった。次の冬までにはどこかまっとうな住居を探さにゃあって気になってるけど……どこに住んでもいい身分だから、定住地を定めるなら身を固める時って意識もあったんだよなー。うまくいかねーもんだよなー。

 
 ちなみに書類で料金の滞納状況を見るってえと、2カ月に一度の料金徴収で、昨年7月期から料金が未納ってことだから、実際には5月下旬頃から使ってた分の料金になるようだ(僕は山荘でのんびり暮らしてた頃ですな)。その料金を約7ヶ月にわたって滞納しつづけると水道が止められるってことのようだから、これから滞納しようって人には参考になるかもね。
 まあいい経験とゆーか、話の種にはなったかなと思うけど……なんだかいろいろ釈然としない。とりあえず水道から水が出てくる喜びのもと、たまってた皿洗いに励む僕であった。