カルチャーセンターの歓喜とキャットカービングの卒業

日本連覇のご利益ありそな招き猫

 朝の散歩とか朝食買出しとかシャワーとか洗濯とか、すべてWBC中継に合わせて行動。
 TBSの中継番組スタートからプレイボールまで小一時間かかることはよくわったので、それにあわせてシャワーから出て、がんばれ侍ジャパンとテレビに見入る。
 いやー、しかしいい試合だったね。2時過ぎから猫彫り教室の最終回なので、それまでに日本勝利で終わってくれるよう祈ってたものの、結局時間切れとなってテレビ観戦からラジオ聴戦(っていうのか?)に切り替えたんだけど、それでも感動的な素晴らしい試合だった。
 ぎりぎりまでテレビに見入り、多少の遅刻は覚悟して日本の勝利を見届けようとしたってのに、韓国が見事な粘りを見せて延長突入。やむなくヘッドホンでラジオ聴きつつ自転車でダッシュ。10回表の猛攻の間に自宅から駅前までかっとばしたんだけど、いやあヒット連発とチャンス拡大につれてスピード上がったねえ。
 で、駅前の自転車置き場に着く頃に打席にはイチロー。なんてすごい状況だと思いつつ、駅を突っ切って反対口へと移動してるところで見事なタイムリーヒット。自分の移動感覚とドラマチックな試合展開がシンクロしてて妙に興奮してしまった。
 JR某駅前では、行きかう人の多くがワンセグで中継を見てる光景が面白かった。ケータイ電話の普及期には人々の行動パターンが変化していく様を目の当たりにしたものだけど、そのケータイで喋ってる人より液晶画面に見てる人の方がずっと多いってのも不思議な光景で、これもWBC効果ってもんだろう。おまけに僕のラジオの方がワンセグ放送より一瞬はやく試合経過を知れるので、イチローのタイムリーを知ったおいらが「よっしゃー」と拳を握るってえと、ワンテンポ遅れてワンセグな人々から歓声があがったり駅前に笑顔が増えたりっていう感覚が不思議と気持ちよかった。


 猫彫り教室が開講されてるセンターに着く頃には敬遠を挟んでバッターは城島。ここまで舐められたら打つだろうと思ったけど不発に終わり、チェンジになったところで教室到着。「すいません遅くなりましたー」と入室すると同時に、先生や受講仲間にイチローイムリーの一報を報告した。
 先生が江戸っ子口調で「ちくしょー仕事がなけりゃなあ……」とか言ってるので、聴いてきたポータブルラジオからヘッドホンを引っこ抜き、窓際に置いてスピーカー音声で10回裏の実況をお届け。生真面目な先生は「こんな音出しててセンター側からうるさいって文句言われないかなあ」などと呟いてたが、「大丈夫、ロビーのテレビでスタッフもみんな中継見てるし、隣の教室なんかドア開けてどやどや観戦に出てますぜ」「なにー、許せん!」ってな感じで、ラジオの実況聞きつつ木彫り作業ってことになった。
 そして日本の優勝が決まった瞬間、ベンチを飛び出した選手たちのように我々もロビーに飛び出した。ロビーの映像で歓喜の映像を見たかったからだけど、期せずしてロビーに居合わせた人々から沸き起こる拍手。平日午後の中高年が集うカルチャーセンターがこうやって盛り上がってる様ってのも不思議で幸せな光景で、それをもたらしてくれた侍ジャパンはやっぱりえらいよなーとしみじみ。
 そんなこんなで不思議な盛り上がりの中、おいらの猫彫り教室通いも今日で終了。こういう素敵なイベントと重なると、ずっと忘れない思い出として記憶に残りそーで嬉しいね。