老舗鰻屋と平賀源内

鰻重特上、美味かった!

 ウナギの旬は夏じゃなくて秋なんだそーで、夏こそウナギって思い込んでる人は平賀源内に騙されてるんだとか。実に300年以上にわたって有効なキャッチコピーなわけだけど、うちからちょっとドライブすると300年以上の歴史をほこる鰻屋がある。秋になったら行ってみようと思ってたので、今日はくろべーのドッグフードを買いに下山したついでにその老舗まで繰り出した。
 そーいや俺、八月にドッグフードを買った時にも鰻を食べたんだよなあ。今回はくろべーの食費に対抗してってつもりもなかったんだけど、なんかオブセッションでもあるのだろーか。
 ともあれ、下山したとこからさらにしばらく田舎道をドライブし、歴史の雰囲気ただよう町並みへ。昼前について軽く観光した後、旅館のようなたたずまいのお店に入店、二階の座敷に通された。こういう舞台設定だけでなんだかわくわくしちゃうねえ。
 ノンアルコールビールと鰻重を頼み、焼きあがるのを待ってる間に店内の見学。やがて階下からお膳が運ばれてきた。蓋を開けた途端、ふわっと食欲を動かす香りが広がって、写真を撮るのも忘れて一口食べずにいられないほどの鰻重。──かつて『図書館の水脈』の中で主人公が老舗の鰻を絶賛する文章を書いたけど、ふとその場面を思い出した。
 あれは浜松かどっかのシーンだったかな。実際浜松の日本料理屋で鰻食った経験を思い出しつつ書いたんだけど、その記憶より今日の鰻の方が上って気がする。四国や村上の鰻も美味かったし、東京でも名店といわれるとこの鰻を食べたり名古屋では噺家おすすめの穴場店のひつまぶしを食べたりもしたけれど、そのどこと比較してもひけをとらない味だった。……つうか俺、考えてみると日本各地で鰻食ってるんだなあ。


 つうわけで、うちから車で40分ほどのこの店には是非また行こうと思ってます。鰻好きの友人知己の皆さん、こちらに遊びに来る時は案内しますんで声かけてね。