木目柄ゼブラと写真展ランチ

歴代ナイトを並べて進化の図

 4月の〆切もどーにか切り抜けたので、のんびり過ごす一日。朝から洗濯にはげんで干したと思ったら雨が降ってきたのはまいったが、昼まで木彫りしてすごす。
 彫ったのはチェス駒のナイト。もうチェスセットは作らないつもりだったんだけど、よさそーな材料を見つけてついつい作り始めちゃったのだ。──去年の秋だったか、森の中で薪や柴を集めてる際に立ち枯れてた栗の木の芯を見つけ、硬くしまって黒ずんでる感じが実にいい感じ。試しに彫ってみたら感触もいいし、うまいこと木目を出すと質感が美しいのだ。こりゃいいやとポーンを彫りはじめたのが運のつきで、これを使ってまた1セット作ることに。黒サイドはこの立ち枯れ栗の色と質感をそのまま活かして黒駒にして、白駒は鮮やかに白いミズキ材を使って作ろうかと思ってる。
 仕事部屋で落語やラジオを聞きつつ馬の形を彫っていると時間がたつのを忘れる。何か楽しい話を聞きつつ木を削って何か作るってのは僕にとってかなり至福度が高くて、こーゆーのが仕事になったらいいのになーと最近よく思う。仕事になったらなったでつらくなるもんなのかな。
 昼前に出かける予定がついつい熱中し、昼過ぎに家を出たが、運転席でも彫りたてのナイト駒のヤスリがけ。いや運転中じゃなくて信号待ちの時とかだけど。──彫った後、荒目のやつでこすってると木目がいったん消えちゃうのが残念だが、それで曲面を出してから中目細目とヤスリを変えていくってえと艶やかな模様が出てくるはずである。馬型のナイト駒に縞模様が出たらシマウマに見えるだろーかと思いつつ、その時はゼブラナイトと呼ぶことにしよーかと思う。


 車で下山して向かった先は某ギャラリー。面白そうな写真展のDMもらったので昼飯がてら見に行ったんだけど、食事はおいしかったし作家在廊ってやつで写真家の方の話も聞けていろいろ興味深かった。つい長居して買出しが遅くなっちゃったが、こーやって仕事はしないでクリエイティブに過ごす春の日ってのもいいもんである。