初物のモミジイチゴと7人のシェイクスピア

半透明のオレンジ色が美しいのだ

 このところ、くろべー散歩のたびにモミジイチゴの実り具合をチェックしている。──この1〜2年の間に随分と地元の知り合いが増えたんだけど、そのうちの結構な人数(10人くらいはいるんじゃないかなあ)に“うちの周りじゃ時期になるとモミジイチゴが採り放題だから木苺狩りにおいでませ”と言ってきたもんで、妙な責任感を感じてるのだ。
 で、今年はちょっと実がつくのが遅いかなーと思ってたんだけど、日当たりいいとこに生えてる株はようやくきれいに色づいてきたようだ。割合的にはまだ1割もいってない感じだけど、これから周りじゅうでどんどん熟してくるだろうし、この先半月くらいは収穫可能って感じかなあ。
 で、今朝の散歩では何粒か収穫、ざっと水で洗ってくろべーと分け合って食べてみた。──まだ甘味が足らない気もするけど、まずけりゃ吐き出すくろべーが尻尾ふって食べている。とりあえずジャムやジュースにするには充分ってとこかな。
 そんなわけで、友人知己の木苺好きな皆様、おいらの予定は金曜に獣医さん&月末に〆切ってくらいで、基本的に在宅して仕事してますんで、野山を散策したくなったらお立ち寄りください。


 話は関係ないが、昨日ショッピングモールに行った際に本屋の平台で『7人のシェイクスピア』って漫画の第1巻を見つけて即買いした。
 作者のハロルド作石は『ゴリラーマン』や『BECK』の人だけど、僕が惹かれたのはそのタイトルである。欧米でやたらと盛んなシェイクスピア研究だけど、その中の学説の一つに「シェイクスピア機関説」ってのがあって、僕はその説が大好きなのだ。『7人のシェイクスピア』っていう箔押し文字を見た途端、その学説に基づいた作品にちがいないと直感したのである。
 簡単にいうと「シェイクスピアというのは個人名というより複数の人間の合同ペンネームだった。演劇が賎業と見なされていた時代、地位の高い貴族や学者や船乗りが様々な作品を共同制作し、実在した演劇人シェイクスピアがそのグループの顔となって作品を発表していた」ってな説だったと思う。学会ではトンデモというかキワモノ扱いされてるらしいけど、僕としては歴史的考証なんざほっといて、単純にそういう作業がすごく楽しそうに思えるのだ。
 で、昨夜は寝る前にいそいそと熟読したのだが……シェイクスピア機関が出てこなーい! シェイクスピア自身は思わせぶりなプロローグみたいな形で出てきたけど、1巻の大半はチャイナタウンにおけるエスパー少女の魔女狩りエピソードだったのだ。これは何と言うか、今後読み続けようかどうか迷っちゃうなあ。
 まあ伏線はいっぱい張ってあるから、今後ランスとリーとエリザベスがシェイクスピア機関として機能する可能性は高そうだ。シェイクスピアの妻子や顔痣の男が何か知ってるようでもあるし、7人揃うまでが楽しみでもあるんだけど……“シェイクスピア機関の話だ!”っていう僕の第一印象が大ハズレって危険性もあるわけで、長々読んでって肩すかしだったら嫌だなーとも思っちゃうのである。
 第2巻の発売は九月だそうだから、スピリッツでの連載はもっと先まで進んでることだろう。読んでる皆さん、シェイクスピア機関の話かどーかだけ教えてくれませんか?