できたて第一稿とあげたて天麩羅

しっぽの先だけ天然物

 連載原稿の8月分が書き終わったので短編小説にとりかかったら、あっという間に第一稿が書き終わった。
 日頃長い話ばっかり書いてるから、たまに原稿用紙20枚の短いのを書いたりするとまるで呼吸が違うもんだ。ほんとにこれでいいのかなって不安になるくらいだけど、まあ何とかなるだろう。
 まだ推敲やら書き足しやらありそーだけど、それは明日やりゃいいやってことで、散歩はまだかって顔してる黒犬をつれて外へ。今日は夕立もゲリラ豪雨もなくて何よりじゃと思いつつ、近所のアンズ峠を越えて歩いていく。
 と、地名の由来ともなった(俺が勝手に呼んでるだけだが)ビーグルのアンズちゃんの家の前にご主人がいたので挨拶。10月にやる個展のDMを渡してると、豪邸のテラスから奥さんが顔を出した。
「いま天麩羅あげてるとこなの。あと5分、そのへん回ってきてー!」
 その言い回しが妙に楽しくて、言いつけ通り5分ほどちかくを回った。帰りがけに天麩羅盛り合わせと炊き込みごはんをいただいたんだけど、ほんとに揚げたて炊きたてのあったかい状態。こりゃできたてのうちに食べなきゃあと思い、あたりのにおい嗅ぎをしたくて渋るくろべーを引きずるように家路を急いだ。
 帰宅して大急ぎで洗濯ものを取り込み、くろべーにドッグフードやってぶわーっとシャワー浴びて湯上りにビール。いやあげたての天麩羅を食いたきゃそのまま食ったっていいんだが、湯上りでビールってのが必要条件のように思えるのは何なんだろうね。


 ちなみに今日のブログ画像は、5分ほど近くを回ってる間に撮影した鳥の置き物、というかエクステリアというか野外彫刻というか。
 立体作品としてはそれほど出来のいい物でもないと思うんだけど、うまいこと赤とんぼが視線の先の尾羽にとまるってえと何ともいえない味わいがあるんだなーと思う。意識線がつながるというか何というか、根付を作るときにもこういう感覚って大事なんだなーと分かってきつつある今日この頃。