デジカメ散歩とデガワ作戦

二頭とも楽しげに取っ組みあってます

 久しぶりに、デジカメ持参でドッグランへ。――暗いニュースが多い世の中だけど、そろそろのんきなブログを書いていこうと思い立ったのだ。
 震災被害に対して今の僕にできることは募金や献血くらいしかないけれど、せめていつもの日常に戻ることで誰かをほっとさせられたらと思うのだ。僕は普段はわりに毒舌なんだけど、主に仕事の時はプラス言葉とマイナス言葉ってのを意識して、マイナスな言葉はなるべく使わないことにしている。こんなご時世だから、そのプラス主義をもうちょっと拡大していこうと思っている。
 なので今日のブログ写真は、ハスキー&日本犬MIXとおぼしきゴンと黒ラブ&バーニーズMIXのくろべーのレスリング姿。初めて会った二頭なのだが、体格も近く年も同じで(どちらも2001年5月生まれと判明)性格も穏やかな同士なので気が合うらしい。互いに相手のバックをとってマウントするべく、飽きずにくるくると取っ組みあっていた。


 震災発生以降、市原のガスタンク火災から福島の原発事故まで、不吉な流言飛語を耳にする機会が増えた。天然ガスが燃えてるはずなのに「石油成分が燃えて有害物質がまきちらされて毒の雨が降る」だとか、原発周辺で避難勧告が出ようかって時に「とにかく家にこもれ」とか、明らかにおかしいぞって情報がネット経由でばらまかれているのだ。
 そこで思いついた。「どうぞどうぞ」と譲り合うのを「ウエシマ作戦」と呼ぶならば、ただ「やばいよやばいよ」と声を上げることを「デガワ作戦」とみなして笑い飛ばすってのはどうだろう。見分け方としては「正確な情報をもとに最善の対処を呼びかけているのでなく、憶測まじりの又聞き情報にすぎない」ってところで。
 そういう不吉なデマってのは、広めてる側も悪気があるわけじゃなく、正義感や不安感から発してるから始末が悪い。そういう発言は慎むべきじゃないと声をあげてみてもなかなか止められるもんじゃないようだし、だったら受け止める側でデガワ作戦を見分ける目を持つべきだろう。「ははあ、これはリアクション芸だな」と分かってれば悲鳴を上げてる出川哲郎さんを見ても笑っていられるわけで、不安を笑い飛ばせた方がこれからの復興に向けたエネルギーをロスしなくて済むと思うのだ。


 こんな状況でも僕の新作『イン・ザ・ルーツ』は刊行の運びとなり、ぼちぼち書店にも並び始めているようだ。版元や流通の方々に感謝しつつ、こんな状況だからこそ少しでも誰かに楽しんでもらえたり誰かを励ましたりできたらと思っている。
 なにしろ、1年以上にわたって力を注いだ久々の大長編だし、今だからこそ多くの人に届けたい内容でもあるのだ。物語で人を救いたいという願いとか、焼け野原の東京で音楽や物語によって再生していく男の思いとかを描いてもいるので。
 そんな本を一冊、今の仮住まいの近くの古書店カフェに進呈した。この部屋の内見にきたときに気になって入店するようになり、こないだたまたま根付の本を見つけて購入したので、同じく根付を題材にしてる『イン・ザ・ルーツ』の献本先にぴったりだと思ったのである。そしたら早速お店の日記の昨日の分で触れていただいた。↓
http://page.freett.com/phosphorescence/diary.htm
 ただの紹介じゃなく、今の状況に合わせて書いてもらったことが嬉しくてありがたかったので、リンク張らせていただきました。