朗読『カレーライフ』と行楽シーズンオフ

夏の終わりのパン屋のテラスにて

 今日から情報解禁ってことなんで告知。舞台『カレーライフ』が朗読劇になって帰ってきます。凱旋公演、とはうたってないみたいだけど、5月6月の本公演の好評を受けてものごとが動いたようですな。
 日本テレビ公式サイト(http://www.ntv.co.jp/event/stage/currylife_r.html)によると、正式なタイトルは「朗読『カレーライフ』」となるようですが、別に本を朗読するわけじゃなく、役者さんがそれぞれの役で声にする台詞だけで物語が進行していくっていう上演形式。要は動きや舞台装置に頼らない、プリミティブな形の演劇ってことですな。
 実は僕の書いたものが朗読劇になるのってこれが初めてじゃなくて、『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』って短編は2回ほど舞台になっていて、その公演台本や記録映像で「ふーむ朗読劇っつってもいろんな形があるんだなー」などと実感した覚えがある。朗読ったって役者さんはすっかり台詞が頭に入ってて本を見ないで演技してたりするし、まるっきり動かないもんかと思いきや出ハケや立ち位置変更は頻繁だったりするんだよね。
 あと、広い意味ではラジオドラマだって朗読劇だから『カレーライフ』もNHK−FMで朗読劇化されてたともいえる。『スペースシップ』って短編だって、青森のラジオ局でラジオドラマになってんだよな、そーいえば。(事前も事後も、僕にはまともな連絡一つなかったけど)
 話を戻すと、今回の『カレーライフ』は2011年12月29日(木)、サンシャイン劇場にて昼夜2回の上演予定。8人の売れっ子キャストたちが年末の一日だけ全員揃って舞台『カレーライフ』の世界を再現してくれるようです。いや再現というか、朗読っていう形式を活かしてもう一段階物語が深まるといいなーと思ってる原作者であります。
 脚本に大きな変更は加えない方針だそうだけど、舞台装置がないぶん場面転換や時間経過の説明が必要な個所もあろうし、ワタルのマジックタッチなんてどう表現するんだって問題もある。そういう要素ってちょっとの修正でがらりと印象変わるわけで、上演台本を読み返してるといろいろアイデアが浮かんで手出ししたくなってくる。小説は本になった後で手を入れたいって気持ちにはならないもんだけど、脚本だとああしたいこうしたいって思っちゃうのって何なんだろうね。


 さて、この公演情報が解禁ってことは8月ももう終わりである。
 一般的には夏休み終了ってことで物寂しい語感が漂うが、僕は夏が終わるのって嫌いじゃない。そもそも暑いのって好きじゃないし、うちの周辺は別荘地帯だか夏は人口密度が増すのだ。夏休みが終わると目に見えて人がいなくなるので、くろべー散歩も気楽にノーリードで歩けるし、車で出かけるぶんにも観光客が減って解放感が味わえる。
 それに避暑地といったって8月は他の季節に比べりゃあ暑いので、実は9月の気候の方が気持ちいいんだよね。5月も上旬より下旬の方が気持ちいいし、一般的な行楽シーズン直後の方が絶対にいい季節だってのが住んでみての実感である。日本の南に停滞してるとかいう台風が早いとこどっかいっちまって、9月の青空を満喫できるようになるといいのになー。


あ、そうそう、8月終わって9月1日から、「銀座カレーライフ」なんてイベントが開催されるそーです。
 東急ハンズ銀座店の8Fシーズンギャラリーに全国の珍しいカレーを集めたイベントなんだとか。僕はいけそーもないけど、お近くの方はどんなイベントだったか教えてもらえると嬉しいです。小説『カレーライフ』が販売されてるかどーか、朗読『カレーライフ』のチラシが配布されてるかどーかも要チェックなのじゃ。