自宅への雪中行軍と田舎移住への御託

シャンプー後は抜毛がすごい

 今住んでる越冬コテージを今週で引き払うつもりだった。昨日は荷物運びとお山にの下見を兼ねて自宅にいってみたのだが、3月も半ばだってのにいまだにものすご〜く雪深くて驚いた。
 車を降りたらまずは除雪車が作った雪の壁を乗り越えなきゃならないし、道を歩くと膝までずぼずぼと雪に埋もれる。日中の気温なら暖房いれなくても耐えられるが、雪深いのだけはどうにもならない。車から家までの道だけでもある程度通りやすくしようと雪かきしはじめたら……風が強まってきて吹雪になりやがんの。
 これじゃあとてもじゃないが生活できない。今のコテージで雪解けを待とうと思い、管理会社に滞在の延長を頼んだり出版社に著者校ゲラの送付先を変更してもらったり。まだまだ冬が続くなーって気分だったのだが……今日はすっかり春の陽気じゃねーか!
 あったかいのは嬉しいけれど、昨日雪に苦しんだ直後だけに腹が立つ。もっと早くこんな天気になって、これが続いてりゃあ雪も解けるんだよバカ野郎と誰にともなく怒りを抱き、腹いせに昼寝している黒犬をふんづかまえた。せっかく気温高いので、この隙にくろべーを洗うのだ。
 シャンプー嫌いのくろべーは風呂に入れられる気配を察しただけで部屋の隅に避難して小さくなってるが、力づくで風呂場に連行。じゃぶじゃぶ洗った後は天日干しじゃーと、玄関先でタオルドライの後は長めの散歩に出かける。


 たっぷり歩いて帰宅すると、コテージの管理会社の人がやってきた。冬ごとに貸しコテージを使うくらいならいっそ1軒買いませんかってことで声かけてくれたのだ。とりあえず次の冬まで必要もなけりゃあ買う金もないのだが、不動産物件を見るのは嫌いじゃないので連れてってもらう。
 気さくなお兄さんから別荘地にまつわるいろんな話を聞かせてもらうのは楽しかったが、物件自体は特に強く惹かれるものはなかった。田舎暮らしをしたい人にはいろいろ楽しそうな家だしお値段も格安だけど、別荘地暮らしが長いと自分なりの価値基準ができてくるからなー……
 それにしても、昨日は自宅の豪雪に苦しんで吹雪に直撃されたりだったのに、今日は春の陽気で犬を洗ったり中古住宅を内見したりしてるんだから妙なもんである。山荘を買って今の妙な生活パターンになって以来、東京暮らしをしてたらまず体験できないことにたくさん巡り合った気がするなあ。
 帰宅してふとテレビをつけたら、『最後から二番目の恋』ってドラマの再放送をやっていた。中井貴一のコメディー芝居が楽しいこのドラマも、小泉今日子演じるテレビ業界の女性が鎌倉の古民家に越したことから始まるいろんな出来事で進んでいくようだ。――ドラマの影響で古い家への移住を考える人も出てきそうだけど、そういう人と話す機会があったら、僕なりの経験を語ってアドバイスしてみたいもんだなーと思う。