コースケの続編とヨースケの駅弁

 最近、僕の周りで前川つかさ著『大東京ビンボー生活マニュアル』のプチブームがおこっている。まあ昔からよくやってる、「友人知己にすすめると見事にハマる」ってパターンなんだけどね。
 オリジナルのコミックス(ワイド版っつうのかな)はもう絶版だけど、名作だけあって復刻版も何種類か出てるらしい。まあ僕はもとの形が一番好きなんで、人に全巻貸して返ってこなくなってもオリジナル版で全部そろえなおしんだけども(自慢)。

なにもないシアワセ 大東京ビンボー生活マニュアル

なにもないシアワセ 大東京ビンボー生活マニュアル

大東京ビンボー生活マニュアル 上

大東京ビンボー生活マニュアル 上

 で、復刻版の話題が出たついでに、ネットで続編について調べてみた。そしたらなんと、続編についても三系統あることが判明。「漫画ゴラクに」連載されたもの(コースケがサラリーマンになってるらしい)と復刻本に書きおろされた数編(コースケはそのまんまらしい)、それから「漫画アクション」に連載された『ボクの駅弁漂流記』である。『ボクの駅弁漂流記』は正確には続編じゃなくて同じテイストの別作品(主人公はコースケじゃなくヨースケ)だけど、サイエンスライター森山和道さんのブログによると、雰囲気が一番近いのはこの作品なんだそうだ。
 読者の声を眺めてみると、コースケが変わってる続編についても変わってない続編についても賛否両論あるようだ。比較して読んでみたら続編のありかたについて考察するのによさそうだが、僕が一番読みたくなったのは『ボクの駅弁漂流記』だった。まあこれは個人的な好みもあろうし、森山さんが一番文章がうまかったせいかもしれんけども。


 この作品、双葉社からコンビニコミックスとして2冊刊行された『ザ・駅弁』っていうムック本の中に収録されてるとのことだった。アマゾンのリンクを開いてみたらうまい具合に2冊とも売りに出てたので、早速注文。それが今日とどいたので、まずは「メチャうまか編」を通読。

 で、これが何とも素晴らしい本だった。『ボクの駅弁漂流記』は1編4ページでほのぼのした絵がしっかり描き込まれててコースケテイストを満喫できたし、併録されてる『駅弁ひとり旅』って漫画も楽しい。どっちも旅情をそそる作品で、読んでるうちに旅に出たくなってきた。駅弁じゃないけど、昼飯には自分でおにぎり握ってちょっとだけ旅行気分を味わってみたりなんかして。
 そして、2冊買ったうちのもう1冊、「中国に四国、まっことうまいぜよ編」ってのは、しばらく読まずに我慢することにした。こういう本はやっぱり旅しながら読みたいなーって気がするので、今度電車の中で読もうと思い立ったのだ。そういえば最近しばらく電車に乗ってない。最後に乗ったのって1年半くらい前じゃないかなあ? そーいやその頃、双葉社の編集者で大の鉄道ファンって人と飲んだことがあった。すごく真面目で本格的な鉄ちゃんって感じの人だったが、彼はやっぱり『ザ・駅弁』とか『ボクの駅弁漂流記』について詳しかったりするのだろーか。植田まさしの『キップくん』は話題に出た覚えがあるけど、その時前川つかさについて語りたかった&作中に出てくる中でどこの駅や駅弁がおすすめか聞いときゃよかったなー。
 ともあれ、電車の中でマンガを読むために旅行するとか、そのために目的地を考えるとかってのも楽しいもんである。一人暮らしで大型犬を飼ってるとなかなか旅行ができないし、田舎暮らししてるとつい車移動になっちゃうけれど、やっぱり鉄道旅行ならではの味わいってあるもんね。
 そんなわけで、来週あたり日帰り一人旅でもしてこようかなーと、時刻表を眺めて計画中。こういう感覚もずいぶんと久しぶりだ。