小旅行ひやおろしと名女優ソルヴィーノ

醤油樽の並んだ店内はいい匂い

 執筆が一段落したので小旅行の日。ほんとは明日入稿なので推敲とかしなきゃなのだが、今日は一日遊ぶと決めた。
 こないだ鈍行列車でいった某所に、今日は車で……と思ってたら、ラッキーなことに同行者が増えて人様の車にのっけてってもらえることに。僕の運転じゃないってことは、酒飲めるではないか!
 つうわけで、現地に着いた直後には僕だけ別行動。まずはまっすぐお酒の蔵元を訪ねて試飲しまくり。自分じゃとても買わない高い酒まで含めて何種類も味見してもらえたし、気前よく注いでくれた販売所のお姉さんが、おいらの木彫りループタイに目をとめてすごーく感心してくれた。飲ませてもらって褒められて、昼間から心地よくほろ酔い。
 そんだけサービスしてもらったんだからいっぱい買えばいいものを、持参の鞄は小さめのワンショルダーのバッグだけだったので、買ったのは結局ひやおろしの4合瓶だけ。かなりお手頃価格なのでちと申し訳ないが、秋の風物詩だし素晴らしく飲みやすかったんだよね……。
 ついでに醤油の蔵元にも寄って、ここでも1本購入。持参の鞄が酒と醤油で一気に重くなった。その上図書館に寄って本やDVDまで借りたんだから、よくまあ鞄に詰まったものだ。
 みんなに合流した後は、評判のラーメン屋に繰り出して昼食。しかし何故か普通の醤油ラーメンに比べてエビラーメンの僕だけ出てくるのが異様に遅い。みんながほとんど食べ終わった頃に食べてるのは、こんないい思いばかりしてる罰かなとふと思う。いやエビラーメンも評判通りに美味しかったんだけども。


ニール・サイモンのジェイクス・ウィメン [DVD]

ニール・サイモンのジェイクス・ウィメン [DVD]

 図書館で借りたDVDの中には、『ニール・サイモンのジェイクス・ウィメン』っていうTV映画があった。ニール・サイモンの名前と、DVDのパッケージに書いてあった紹介文にひかれて手に取ったのだ。
“小説家のジェイクには、ちょっと不思議な力があった。それは自分の書いた作品のキャラクターたちが現実になって現れるというもの”
 小説家として、そういう能力には憧れちゃうなーと思ったんだけど……結論から言うと、この文章は間違いだった。むしろ「日頃からイマジネーションの世界にいるせいで、時々現実と空想の境目が曖昧になる」ってのが正確かな。現実にはそこに存在してない女性たちと会話したりするんだが、そこには架空のキャラクターは一人も出てこなくて、みんなジェイクが現実で関わってきた女性ばかり。彼女たちが「自分の書いた作品」に出てくるわけでもないのである。
 安価なDVDだし、おそらくまともに映画を見てもいない人間がてきとーに紹介文を書いたんだろうけど……その欠点を補ってあまりあるほどいい作品だった。安DVDだけあってオリジナル英語音声+日本語字幕以外に選択肢がなかったけど、日本語吹替や英語字幕で見たくなったほど。
 さすがのニール・サイモン脚本だけあって、ファンタジー的設定とはいえ記憶と空想に生きる小説家の姿を見事に描いている。それでいて普遍的な心理をコミカルかつハートウォーミングな作品にしてるのが名人の腕ってもんだろうなあ。どの役者も演技が達者だし、メイン級の人たちの繊細な感情表現に感心させられる。中でもミラ・ソルヴィーノって女優さんは、二十歳そこそこから三十五歳まで、初体験翌朝から母の優しさまで演じきってる様がなんとも素晴らしかった。
 寡聞にしてこれまで知らなかったが、ネットで調べたらオスカー女優だし、ホラーからアクションからマリリン・モンロー役までこなす人だった。他の作品も見たいなーと思い、アマゾンに『誘惑のアフロディーテ』を注文。これでオスカーとったらしいし、ウディ・アレン監督作品のコメディーとあって、とてもとても楽しみだ。