チラシの到着とコラボの幸福

チラシはガゼルと黒柴の彫刻写真

 朝、連作『ものがたりのアンテナ』の第2話が完成。
 これは彫刻家のはしもとみおさんの彫刻をもとに、僕が物語をつけるっていうコラボ作品。憧れの彫刻家さんの作品に文章をつけられるってだけでも嬉しいし、彫刻作品に触発されて文章が湧き出てくる感覚が心地いい。――編集者との共同作業は結構な確率で衝突しがちな僕だけど、尊敬するクリエイターとのコラボレーションって大好きなのだ。案外、自分の完全オリジナルよりは人の作品に文章をつける方が得意なんじゃないかとすら思う。
 この文章や彫刻、それを元にした写真絵本は、3月に那須高原の絵本カフェ、murmurさんで展示予定。そして第2話脱稿の数時間後、くろべーの散歩に出掛ける時にポストをのぞいたら、タイミングよくその彫刻展のチラシが届いていた。こういう偶然って嬉しいね。
 僕自身、はしもと作品に触れられる機会が嬉しいし、文章と彫刻のコラボもいい感じの効果を生んでる気がする。こらから宣伝してなるべくたくさんの人に来てもらおうと思ってるので、ご興味おありの方はぜひこちらをご参照あれ。↓
http://kirinsan.awk.jp/pages/exhibition.html


 そして夜。はしもとさんからメールで、どーんと大容量の音声ファイルが届いた。
 『ものがたりのアンテナ』の第1話、『三日月のブランコ』っていう物語を書き上げた際、それにちなんだ『流れ星のしっぽ』っていう文章も書いていた。短い文章を書こうとしたら詩みたいになって、ついでに歌詞みたいになったなーと思ってたら、はしもとさんの仲間のミュージシャンの方が、その文章に曲をつけてくれたのである。
 なんだかどきどきしながら、その音声ファイルを聴いてみた。――そして聞いてるうちに自然と笑顔になっていた。なんかこー、しみじみと幸せな気持ちになる体験だった。
 もちろん曲自体の気持ちよさもあるし、自分が書いたはずの言葉がまったく別のもののように聞こえてくるのが心地いいのだ。いってみれば彫刻作品から生まれた言葉が、僕を通り過ぎて音楽作品に変わっているわけで、その流れの中に身をおけたことが幸せなんだと思う。
 その曲、“ポチとoliveによる『流れ星のしっぽ』”をリピート再生モードにして、そのまま眠りにつくことにした。――3月のライブでも演奏してもらえるらしいので、皆さんぜひおいでください。