彫刻ワークショップと音楽コラボレーション

寝転んでゴロゴロするくろべーの図。

 このところ、1日か2日おきに那須高原に通ってる気がする。
 えほんの家murmurで「いきものたちの、ものがたり展」という彫刻展が開催中なのだ。僕も物語や作詞で参加させてもらってるし、2月の準備期間や3月上旬のプレ展示期間はお手伝いスタッフとして働いてたんだけど、3月下旬に入ってからは単なるお客というかファンとして通ってる感覚になってきた。
 なにしろプロの彫刻家のはしもとみおさんや本多絵美子さんが大量の彫刻作品と共にやってきて木彫りワークショップを開いてくれてるのだ。僕みたいに我流でやってきた素人は教わりたいことだらけだし、絵本と彫刻に囲まれた空間にはいくらいても飽きない。犬連れ入館がOKなので、くろべー同伴で長いこと居すわってくつろがせてもらっている。


 本来のワークショップは土曜日の午後に3時間ほど開催されてて、普通の参加者は時間内に作品を完成させることになっている。しかし僕は個人的にいろいろ欲張ったせいで3時間だけではとても時間が足りず、片付けが始まっても彫り続ける居残り坊主状態。結局は荒彫り〜中彫りくらいまでしか進まなかった。
 それでも学ぶことって多かったし、先生たちの他の参加者の方へのアドバイスの一つ一つにも納得させられた。――木を彫るのって基本的には一人の作業だけど、その最中に抱いた迷いや疑問をその場で誰かにぶつけられて、ぱっと答えが返ってくるってことが気持ちいい。毎日毎日こんな風にすごせたら幸せだよなーと思ってしまったし、実際そんな風に過ごしつつある今日この頃。
 彫りかけの作品を持ち帰り、日曜にはラジオを聴きつつ自宅で形を整えることにした。日曜には好きな番組が多く、メロディアスライブラリーと日曜サンデーをフルで聴いたから4時間半は彫ってたことになる。知らない番組をなんとなく聞いてるのも好きなので、合計5〜6時間は彫ってようやくクスノキの木片がくろべーになった気がした。
 そして月曜の今日はいそいそとmurmurに向かい、個人的に仕上げを教わった。マンツーマンどころか先生2人に生徒1人って贅沢な状態で、本多さんに耳の処理を教わったと思えばはしもとさんに塗装を教わるって感じで、帰るまでにはどーにか黒犬くろべーが手のひらにのるようになっていた。


 夕方には、それを眺めながら音楽ライブ。今回の企画は彫刻や物語だけじゃなく、ポチとoliveって音楽ユニットも来てくれてて、音楽と彫刻のコラボも開催されるのだ。一応、公式スケジュールとしては土日の夕方に開催ってことになってたんだけど、突発的にライブ開催ってなることも多いようだし、今日からは1曲ワンコインでリクエストってシステムも導入された。長く居座ってるとそれを一通り体感できるわけで、これもなかなか贅沢である。
 彫刻に囲まれながらのライブってだけでも素敵だし、音楽ど同時申告で渡邊春菜さんによる即興の映像演出も楽しめる。僕の作詞した『流れ星のしっぽ』って曲も演奏された上、それを気に入ってリクエストしてくれる人もいて、ただそこに居合わせているだけで幸せな気持ちを味わえる贅沢な時間をすごすことができる。
 ……そんなわけで、この「いきものたちの、ものがたり展」は24日まで開催してますので、皆さんよかったらご来場あれ。