京都水無月大賞と山桜間伐材発色

僕の身長くらいあって結構重いんだよね

 『カレーライフ』が、「京都水無月大賞2013」という賞をいただいた。

カレーライフ (集英社文庫)

カレーライフ (集英社文庫)

 京都の書店有志で一番売りたい文庫本って視点で十数点の候補作を選出し、投票によって大賞を決めるっていう賞らしい。文庫本発売から8年もたってるし、単行本にいたっては10年以上前に出た作品だというのに、こうして賞に選んでもらって売りだしキャンペーンをしてもらえるんだからありがたいかぎり。
 昨日6月9日に関西方面のメディアで公式発表になってるらしいんだけど、関東の僻地で山暮らししてる身としてはあんまり実感わかない。ツイッターで『カレーライフ』と検索してみたら、参加店舗の書店員さんが店内の売りだし風景の写真をアップしてくれてて、それを見てるとしみじみ嬉しい。よーやく実感わいてきたし、転載していいか確認したら許可をいただけたので、ちょいと紹介してみます。 こちらはふたば書房野州店さん。平台にドーンと並べて1コーナー設けてくださってるようだし、展示用にカレーライスのお皿まで作ってくれてます。画像だとPOPに書かれた細かい文字まではなかなか読めないんだけど、「ようするにカレーの話です」って言い回しはとても好きだなー。
 こちらは恵文社バンビオ店さんの写真。シックな本だなの上の段にずらっと並べてくれてます。水無月大賞のロゴの周りに山の絵があしらわれてるのは、大文字焼きってことで京都風の演出なのかな。漢字一文字ってことで、『八犬伝』みたいにキャラクターを象徴してるような気がしてきます。きっと「法」がサトルで「妙」がワタルだよね。
 つうわけで、水無月大賞ってくらいだから、6月中は展示されてるのかな。お近くの方はぜひお店まで見に行ってみてください。ついでに買って読んでみようって気になってくれたらうれしいです&そういえば18日には新刊『図書室のキリギリス』も発売されますのでどーぞよろしく!
 僕もこの際、京都まで旅行して実際に店内風景を見てみたいもんですが、山で田舎暮らし&大型犬と同居の独り者は気軽に旅行に出づらいのが困りもの。巷じゃすっかり夏の暑さが到来してるようだし、誰かうちまで泊まりにきて犬と家とを預かってくんないかなー。


 そんな山の中のオンボロ山小屋で最近何してるかとゆーと、ヤマザクラの丸太運びに精を出している。
 道路や電線の保護のため、うちの周りの森でチェーンソーの音が響いてでっかい木が切り倒されるようになったのだ。伐採された枝や丸太は重機で運ばれ、土砂置き場に積まれて放置された後は谷に落っことされることになっている。事業ゴミとして処分すると金かかるから、ある程度は自然に任せて処分しようってことらしいんだけど、もったいないので我が家の薪&木彫り材&燻製チップのために貰い受けてんのだ。くろべーの散歩のついでに1本とって、汗をかきかき我が家まで運んでいくのが日課みたいな今日この頃。
 本来、木材を春や夏に切るのはよくないらしい。水分が多いので、木材として使うとなると狂いが生じやすいらしいのだ。まあ僕の小さな木彫りの場合はそんなこたあ気にしないし、この時期に切ったからこそ楽しめることもあることに気付いた。
 持ち帰った山桜材はチェーンソーで切断し、薪割りして手頃な大きさにしといたんだけど、何日かしてふと気付いたら見た目が変わっていた。樹皮をはがしたあたりから、ぱっと目を引くくらいに色づいてたのである。桜色というか朱色というか、普通の木材にはまず見られないような、鮮やかな赤と黄の色素である。
 空気に触れて発色したのか、あるいは雨ふって湿気が増した影響なのか分からないけど、こういう色の変化ってのも面白いもんである。――中学生の頃に「桜は花だけじゃなく、木全体で桜色に色づこうとしている」ってな文章を読んだことがあるけれど、それを目に見える形で実感できた気がする。
 これから木材の乾燥がすすむにつれて鮮やかな色は消えていくのかもしれないけれど、このまま定着するようなら、この色を活かして何か作れないかなあ。