ロンドン・スイートとスコア・マガジン

木彫りではこんなのを作ってる

 ニール・サイモンの戯曲集やシナリオのノベライズを読んでいる。きっかけは、図書館で借りた『ロンドン・スイート』のDVDが面白かったから。

ニール・サイモンのロンドン・スイート [DVD]

ニール・サイモンのロンドン・スイート [DVD]

 前に見て気に入った『ジェイクス・ウィメン』と同じ廉価DVDなんだけど、いやあニール・サイモンにハズレなし。面白かった。パッケージがあまり魅力的じゃないのは相変わらずだけど、こっちは内容紹介も間違いではないし、分かりやすくまとめられてる。
ニール・サイモンのジェイクス・ウィメン [DVD]

ニール・サイモンのジェイクス・ウィメン [DVD]

 ロンドンのホテルを中心に、そこを訪れた4組の旅行客それぞれのトラブルが描かれる。「新婚旅行で夫失踪」とか「ウィンウルドン観戦にきたのにギックリ腰」とか「離婚してゲイになった夫との再会」とか「娘の紹介で初老デート」とか、各ピソードが最後にどう繋がるのかなーと期待しつつ見てたら、最後まで特に絡みはしなかった。それでいてしっかり満足させてくれるのは、やっぱり熟練の技だよなあ。
 状況の笑い・動きの笑い・台詞の笑い・勘違いの笑い・キャラクターの笑いと、様々な笑いの要素がちりばめられてるし、いろんな思惑がすれ違ったり嘘に嘘を重ねて収拾つかなくなったり、かと思えば嘘の裏側に切ない思いが浮かび上がってきたり、とても勉強になった。『グランド・ホテル』や『THE有頂天ホテル』が好きな人には、是非この『ロンドン・スイート』も見てほしい。
グランド・ホテル [DVD]

グランド・ホテル [DVD]

THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]

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 残念なのは字幕だけでは台詞の面白さを満喫できなかったことで、おいらの拙い英語聞き取り能力でも、「ああ、ここのニュアンスはちょっと違うなー」って思うことがしばしば。イギリス英語とアメリカ英語の違いのギャグなんて、日本でいやあ東北弁と京都弁のしゃべくり漫才みたいなもんで、字幕で伝わる面白さではないのだ。ネイティブだったらもっと楽しいんだろーなーと思うとちょっと悔しい。
 何はともあれ、戯曲本で活字の形で読んでみたいなーと思い、ハヤカワ文庫に収録されてるかなーと検索してみたところ、文庫じゃなくて単行本に入ってるみたいだ。いろいろ戯曲本やら小説本やらが見つかったんで、せっかくだから今後ちょっとずつ読んでいくことにした。――なんとなく、ウディ・アレンは文字で読みたいって気はあんまりしないんだけど、ニール・サイモンは読んでみたいんだよな。


 とはいえ、読書の秋なのに最近はいささか読書時間が少なくなってる気がする。理由は明白で、木彫りや一五一会で遊んでる時間が増えたから。このところ、DVDのブックレットに載ってる曲だけでは物足りなくなってきたので、『一五一会スコア・マガジン』ってのを購入したのである。

 もう廃刊になっちゃってるようだけど、創刊間もない第4号に僕の好きな曲が載ってるようなので、それを注文。届いたらいそいそと弾いてみた。――ちょっとずつ慣れてきたとはいえ技術はからっきしなので、槙原敬之の『どんな時も。』は少々難しくて弾けなかったけど、平井堅の『POP STAR』はたどたどしい伴奏なりに楽しく歌えたし、かまやつひろしの『我が良き友よ』はコード進行は単純なのに(一五一会だからかもしれんが)滋味深い曲だなーと感心したり、ユーミンの曲の数々もなかなか楽しい。しかし自分が『ルージュの伝言』とか『恋人がサンタクロース』とかを弾き語ることになろーとは思ってもみなかったな。
 あと、巻頭特集の「ひとみと弾こう一五一会」って記事もとても楽しかった。一五一会初心者の気持ちを石川ひとみさんが見事に代弁してて、その疑問や壁に対して作・編曲家の山田直毅さんがレクチャーしてるのも参考になる。一人で全くの無知からいじってる状況なので、そういう先達や専門家の言葉がなんとも嬉しいんだよね。なんだか石川ひとみさんのファンになりそーなので、彼女の出してるという一五一会のアルバムも取り寄せてみよーかな。
 『スコア・マガジン』はもう新しい号が出ないのはとても残念だけど、季刊で18号まで出てたようなんで、こらからぼちぼち買い集めていこうかと思う。まあ未熟なぶんだけ1冊ありゃあかなり長く遊べるから、それこそ季節ごとに1冊買うくらいのペースかなあ。 こういう雑誌の出版事情はよく分からんけど、僕がそうやって遊んでるうちに復刊なんてことにならないだろーか。楽譜中心の雑誌みたいだけど普通の音楽雑誌みたいに音楽全般の記事や広告を増やして経営を安定させて……なんてことになったらいいなーと思ったりしてる今日この頃。