嬉しいカーテンレールと楽しいゲットワイルド

この後、苦手なシャンプーが待っている

 午前中、寝室にカーテンをつける作業。
 もともと和室だったのをフローリングに変えた部屋なので、これまで東側と南側は雨戸・ガラス戸・障子って感じになってたんだけど、障子も結構破れてるしいちいち補修すんのも面倒だし、冬の防寒対策も兼ねてカーテンに切り替えることにしたのである。
 つっても、うちから半径20〜30キロ以内にはカーテンレールを売ってる店なんてなさそうである。そこで行きつけのギャラリーで雑談してる際、カーテンレールってどこ行けば買えますかねーなんて言ってたところ、「買わなくても○○さんとこにあるんじゃない?」なんて話に。田舎暮らしをしてる人の中には手に技術を持ってる人が多く、家をリフォームしたり機械を直したりくらいお手の物なのだ。そのための工具や資材なんかも、あるところには結構あるらしい。
 その後、噂の○○さんが現れたので、「○○さん、いらないカーテンレールってある?」と尋ねたら、「ああ、そんなのいっぱいあるよ」と即答。思わず子供のように「ちょうだい!」とおねだりしてみたら、平然と「ああ、今度持ってきてやるよ」とのお答え。ありがたいかぎりである。――カーテンレールがいくらくらいするのか知らんけど、こうやって人づてにもらえるのって嬉しい。高度消費社会においては、手近なとこにショッピングセンターがあってぱっと買えるのがいいことなのかもしれんけど、お店に頼らんで済む豊かさというのも確かにある。
 なにしろ、そうやってレールを買った直後には、「カーテンはうちに余ってるから使えるならあげる」なんてことも言ってもらった。何のこたあない、何も買わんでもカーテンリフォームの資材が揃っちゃったのだ。レールはばっちりサイズもあったし、カーテンは少し長かったけど裾を折り返して安全ピンで止めればばっちり。こうやって設置されたカーテンは、お店で買ったり業者につけてもらったりするよりずっと嬉しい気がする。
 設置作業の段階でだいぶカーテンにくろべーの抜け毛がついちゃったけど、これから大事に使おうと思う。(だからってわけでもないけど、午後にはくろべーのシャンプーしてやった)


 話は変わって、しつこく一五一会の話題。おいらの影響で興味を持って買ったとか弾き始めたとかいう人が現れるまで、あれこれ書いていこうと思っている。
 楽器を始めたというと、お愛想で「今度弾いて聞かせてよ」と言ってくれる人が結構いる。しかし僕の場合、人様に聴かせるほどの腕はなく、ただ自分で遊んで楽しんでるだけなんで、「弾いて」ってリクエストのは断ることにしてる。その代わり、「一五一会ごと貸してやるから弾いてみなよ」ってことにしてるのだ。あるいは、どういう楽器が興味があるだけだというなら、弾き方DVDを貸すとかネットで動画検索してみなとすすめるとか。

 僕なんかの演奏を聴くよりも、BEGINを筆頭にプロのミュージシャンが弾いてるとこを見た方が楽器としての力が分かるだろうし、実際に自分で弾いてみてその仕組みと手軽さを知った方が楽しいと思うのだ。実際、こないだそうやって弾かせてみた友人は、楽器は苦手だと嫌がってわりに僕よりよほど早くコツをつかんで楽しく遊んでいたし。
 こないだ『一五一会弾き語り曲集』ってのを取り寄せてみたら二百数十曲も収録されてて、J-POPやら懐メロやら唱歌やら演歌やら、様々なジャンルの曲を弾き語るのを楽しむのが習慣になっている。上手に演奏するとか歌うとかじゃなく、弾き語ることでその曲を味わうって感覚なのだ。左手の指一本でコードを押さえ、右手の指一本のダウンストロークのみで音を出すという、シンプル極まりない奏法だけど、それでちゃんとコード演奏できるし、鼻歌で歌える曲なら弾き語りとして楽しめるのだ。何人かで遊べばその曲についてあれこれ雑談することもできて、そういうのが楽しい。 中でも不思議とハマったのは、こないだ買った『スコア・マガジン』に収録されてたTMNの『Get Wild』って曲。サビのとこがなんだか面白いコード進行で、僕は結構苦労してどうにか弾けるようになったんだけど、カンのいい友人は初日に初見で弾けるようになってて、なんか楽しいねってことで意見が一致。なんとなく覚えてはいる曲だったけど、自分じゃカラオケでもまず入力しない曲だったのに、演奏してみると楽しいってのは不思議なもんだ。コード譜を見ながら弾き語るって鑑賞法で再発見って感じで、一五一会のおかげで自分から歌ったりはしなかった曲の魅力に気付くことが増えたと思う。
 他に『お嫁においで』とか『勝手にしやがれ』とかが、知ってはいたけど魅力に気付いてなかった曲で、一五一会で弾き語ってみるとなんとも楽しかったり魅力的だったり。『勝手にしやがれ』は夜によっぱらいつつ初めて弾き語ってみて、不思議に気持ち良くもどこか妖艶な曲だなーと感心しきり。名曲といわれる曲って、メロディーも詞もすごいんだなーとあらため実感できた。
 以前読んだ本に、余命宣告を受けた後の佐野洋子さんが、生と死を見つめたエッセイがのっていた。そこで。“ジュリーはえらい、いやらしい”とか書いてたんだけど、波乱万丈な人生の最後に沢田研二の魅力について考察・言及したくなった気持ちがちょっと分かったような気がする。それは『100万回生きたねこ』で
100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

、主人公が人生の終わりについに巡り合った最愛の相手みたいな、最後にいきついた魅力の象徴みたいなもんなのかなーって気がするのだ。
 他にも、カラオケでよく歌う『空も飛べるはず』は一五一会譜だと意外と難しく感じたり、カラオケじゃ避けて通ることにしてる『ロビンソン』(ルララのとこでひどい目にあう)が一五一会をFチューニングにすると気持ち良く歌えると発見したり、いろいろ発見があって楽しい。そうやって、演奏してみて初めて分かる曲の魅力が他にもいっぱいあるのかと思うと、一気に世界が広がったようで幸せな気分になれる今日この頃。
 幸せな気分といえば、今日は岐阜の方で一五一会の第2回世界大会が開かれてるらしい。去年の様子はユーチューブにアップされた動画で見ることができるけど、なんだか見てるだけで幸せな気分になれるイベントである。くろべーと暮らしてる僕はなかなか旅行もできんので参加できないけど、今頃ちょうどやってんのかなーと思うと、テレビ中継でもあればいいのになーと思っちゃうとこである。
 今年もまた、ユーチューブに動画がアップされるのを期待してよーかな。