奏生購入と作詞作曲
なんだか三月は音楽づいてた気がする。双葉社のウェブマガジン「カラフル」(http://www.f-bungei.jp/index.php)で吹奏楽の小説を連載中ってのもあるけれど、楽器買ったりライブに呼ばれたり、ライブの主催側に回ったり。初めての作曲や編曲にも挑戦してしまった。
順番に書いてくと……まずは一五一会の奏生購入。ブログでも、奏生を弾いてみたいとかほしいとかって書いてたけど、小説の資料として必要だと気付いて購入に踏み切ったのだ。連載の先の構想をかためていくうちに、やがて一五一会を登場させようと思い立ち、ベーシックや音来より奏生が望ましいと気付いた。小型で持ち運びしやすいってのも、いろんな場所で弾けて便利だしね。
今度は中古で探してみようかなーとか、現行の瓜型よりも二〇〇九年まで売られてたらしい卵型のデザインの方が好きだなーとか思って探すうち、手頃なのが見つかったので購入。これまで弾いてた音来とはずいぶん弾き心地が違うもんで、両方弾き比べてみるとなかなか楽しい。下手くそなおいらは弦を強く弾き過ぎてビヨ〜ンと変な音をさせちゃうことが多いんだけど、奏生は弱い力で弾けるようにできてるだけ繊細で、このビヨ〜ン音が出やすい。自然と丁寧に弾くようになるし、その後で音来に戻ると「あれ、いい音だなー」と思えることが多い。いい感じで弾き方の矯正になるようで、廉価版の入門モデルとして奏生から入るってのはいいことかもなーって気がする。
で、奏生が届いて弾いて遊べるのが嬉しくて、フェイスブックやらツイッターやらに画像をのっけてたら、お世話になってる炭火焼店のマスターから、今度持って来てくれとの声がかかった。到着の二日後にはこのお店でギター&くちぶえライブが予定されていて、その時にでもみんなで遊ぼうってな話になったのである。
そもそもこのライブに誘われた時、出演者の名前を見て驚いた。プロギタリストの田嶌道生さんって方で――一五一会を弾いてる人なら大抵はお世話になってるであろう、ドレミ出版の一五一会弾き語り曲集の著者として名前が出てる方なのである。歌詞に合わせて一五一会のコードをつけるっていう、編曲作業を手掛けたのが田嶌さんなのだ。
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ちなみにおいらはというと、田嶌さん編曲のもので暗譜したものを聞いてもらったり、酔った勢いでウクレレ漫談の牧伸二の『やんなっちゃった節』の替え歌を披露したら意外なほどウケたり。人前で演奏ってほどの腕はないけど、みんなであれこれ遊ぶに楽しい楽器だってこともあらためて実感できた。
その一週間後は、今度は僕も主催者側に立ってアコーディオンライブのお手伝い。この冬を過ごしてる越冬地で文化活動を盛り上げてらっしゃる地元有力者の方にアコーディオ二ストの田ノ岡三郎さんを紹介したところ、立派なホテルの結婚式をやるような大広間でライブ開催となったのである。
僕のメインの仕事としては、三郎さんとゲストのタップダンサー、レオナさんの送迎係。あとは物書きとしては上演プログラムの文章を書いたり編集したりくらいを手伝えばいいかなーと思ってたが、なんだか成り行きで会場の受付係までやることになり、慣れないモギリや会計まで手掛けてさあ大変。まあそれはそれで面白かったし、ライブも盛り上がってよかったよかった。
終演後の懇親会の後、さらに三次会って感じで出演者とホテルの一室で飲み会。翌日は周辺をドライブしてお酒の蔵元を見学したり、先週のライブ会場だったお店に三郎&レオナを案内したり。途中、ガス欠の恐怖におそわれたりもしたけれど、紹介した甲斐あって五月の白河ライブも決定したし、無事に彼らの東北ツアーへの旅立ちを見送れて、ほっと一息。
そしてその三日後、一五一会で遊んでるうちに、ひょいっと作詞作曲してオリジナル曲ができてしまった。僕はもともと、適当な歌詞にいーかげんな曲をのっけて鼻歌を歌ったりするのが好きなんだけど、それに一五一会のコードをくっつけるってえと、それなりに形になるもんである。
のんきなコミックソング調で、天気のいい日に目覚めたくろべーが散歩に行く情景をうたってるこの曲、タイトルは『朝のしっぽ』とつけてみた。コード譜とか演奏してる音とかをフェイスブックにのっけて、詳しい人にチェックしてもらったりもしたのだが、まったく無知な状態で作ったわりにコード進行とかメロディーと伴奏の関係とか、それほど間違ってはいないらしい。僕としては、理論が全くわからないのでどのコードが合ってるか試行錯誤してメモってっただけなのだが、それで曲になるんだから、一五一会ってのは本当にありがたい楽器である。