グレードアップとモデルチェンジ

「あんまり無駄遣いすんなよ」の顔

 一五一会を買った。
 正確にいうと、一五一会のベーシック。
 世界一簡単に弾き語りができる楽器と言われる一五一会には、小さい方から奏生・音来・ベーシックと3種類ある。それぞれ値段や音域が違うんだけど、僕は最初、廉価版だし音域が男声向きだってことで音来を買った。その後、小説の中に一五一会を出すことを考え、もっと小型で指の力が弱くてもいいという奏生も購入。しばらく2台を使いわけたり人に貸したりして遊んでいた。
 しかし去年の火事の時、音来を焼失。奏生はたまたま車に積んでたので焼けずに済んだ。なので音楽欲が高まると奏生で遊んでたものの――やっぱり楽器としての音域が高いのがネックで、曲によっては結構つらい。僕は男にしちゃ声の高い方なんだけど(特に歌うと高くなるので人から意外がられる)、奏生はどちらかというと女性向けの楽器なんだなーと思ってしまった。
 で、いずれ新しい定住地に落ち着いたらもう一本買おう、その時はせっかくだから音来よりグレードアップしてベーシックを買おう、なんて考えていた。しかし家を探す前に中古のベーシックが手頃な値段で見つかり、ついつい欲しくなって買っちゃったのだ。
 まあ火事の直後は購買欲そのものが涌かなくて必要最低限のものだけちょっとずつ買いそろえるような暮らしをおくってたので、こうやって趣味の品に手を出すのは精神的に回復してきた証拠だってことにしておきたい。そろそろ春だし、元気出していかないとね。


 で、そのベーシックである。
 いそいそとハードケースから出し、チューニングしてぼろーんと弾いてみたら、やっぱり音の響きが違う。中古なのでどうも弦の調子が悪いけど、そのコンディションでも高音と低音がずーっと伸びていくような響き方だなと思う。正直、これまでは音来とベーシックの違いってどの程度なんだろうと首を傾げてたけど、たしかに定価の違いだけ音も違うんだなと分かった。
 ちなみに音来は2009年にモデルチェンジしたとかで、2008年までのモデルと2009年以降モデルを弾き比べてみたら音の伸びがまるで違った。音域は同じといっても、旧音来<新音来<ベーッシックって順に音の伸びと響きが違うって感じなので、これから買う方は参考にしてみてください。
 なーんて書くのも、つい先日、ついに僕の影響で一五一会ユーザーが誕生したから。ウクレレユーザーの友人が一五一会での演奏の楽さを気に入り、奏生を買ってくれたのだ。奏生もやはりモデルチェンジしていて、僕が持ってるのは2008年製の旧奏生、友人宅のは2009年製の新奏生。この音の違いもそのうち聴き比べたいなー。
 そりゃそうと、僕の指はしばらくの間にすっかり奏生に慣れていて、ベーシックのスチール弦の張力に負けがちになっている。1本指で4本の弦をべたっとおさえるコード弾きでしばしばしくじり、音が歪んじゃいがちなのだ。おまけに弦が古いと押さえが弱い場合のビヨ〜ンって音の外れ方が派手な気がするんだよなー。
 こりゃあ弦の張り替え&弾き方の矯正を済ませてからじゃないと、人前では弾けないなーと思う。まあもともと人前で弾き語る機会なんてほとんどないんだけど……手元に2本あると人と一緒に遊ぶ際に便利である。興味あるぞって友人知己の方はご一報あれ。