醸造場と自由業

takeuchimakoto2005-04-14

 ビール造りの日。
 朝から車に乗せてもらって茨城に向かい、那珂市(こないだまで那珂町じゃなかったっけ?)の木内酒造へ。途中の水戸市千波湖あたりの桜はちょうど満開で美しい。
 前回は一人で一樽仕込んだが、作業的に結構大変だったので今回は仲間を誘った。音楽家さぶろうと小説家セキグチを引き込み、三人で二樽仕込むのだ。一種類はオーソドックスなスタイルにして、もう一種類はフレーバーをきかせたビールにすることにして、水戸駅周辺で副原料を物色。
 最初はジャスミンフレーバーなんてどうかなと思っていろいろ見て回ったが、お茶と一緒になってないジャスミンそのものは見つからない。どうしようかなと思ったあげく、お茶屋さんでローズヒップティーなるものを発見。とてもフルーティーな香りなのでこれで行けるかなと即買い。さぶろうさんもスーパーでザクロのジュースに目をつけたので、この際だから一緒に買ってって醸造師さんに相談しようということに決定。
 で、木内酒造で数種類のビールのテイスティングをしながらの打ち合わせ。結局ローズヒップとザクロの両方を加えたエールを造ることに決定。もう一種類は強めのアンバーエールってことにして、早速作業開始。
 三人で来た甲斐あって、作業はかなり楽である。今日が初対面のさぶろう&セキグチコンビは醸造も初体験なのでいっぱい働いてもらうことにして、僕は後ろからあーだこーだと口出しに励む。醸造所内は1000円払うとサーバーから飲み放題になってることもあり、景気よくビールを飲みつつ働く2人を撮影したりしていた。
 昼から作業を始めたので昼食も事前に予約してたのだが、このお弁当がなかなか美味。平日の昼間から酒飲んで美味い物食って遊びに精を出す喜びってもんを満喫できてしまった。三十代の男三人、みんな自由業だからこそ味わえる贅沢だよな。
 醸造所内では市場に出回ってないビールまで飲めるし、麦芽やホップの香りの中で働いてるとビールもすすむ。ついつい飲みすぎてへべれけに酔った僕であったが、糖化や煮沸の後で麦芽カスを片付ける作業はしっかりやった覚えがある。……つうか、その時にさぶろう&セキグチがそばにいなかったのは何故だろう? さぶろうさんはどこかで昼寝してたんだろうって気がするけれど。


 そんな風にして仕込んだ2種類のビールが完成するのは3〜4週間後。一人暮らしの冷蔵庫にゃあ入りきらない量が届く予定なので、またどっかでビールパーティーでも開いたら楽しいかも。飲んでみたいって人がおられましたらメールください。──世の中には田ノ岡三郎ファンや関口尚ファンの方って結構いることでしょうが、彼らの音楽や小説を楽しむ機会はあっても彼らの造ったビールを味わう機会ってなかなかないだろうしね。